“会長書きおろし”20年間の年次レポート
- 2008.08.26~2009.08.24
- さわかみファンド、こんなこともあったね(第10期)
2008年9月に発生した、いわゆるリーマンショックは金融バブルの崩壊を決定づけた。前年のサブプライムローン問題から、ようやく回復に向いはじめていた世界の株式市場だが、さすがに抵抗できずガタガタと大崩れしていった。
それでも、さわかみファンドの勢いは続いている。新規の口座開設は相変らず好調だった。資料請求やら入金の連絡やら、電話は朝から鳴りっ放し。ご縁の窓口は、もうテンテコ舞いだった。
とりわけ、リーマンショックから数か月間は戦場だった。次から次へと入ってきて鳴りやまない電話のコールが、スタッフには「頑張って買って」と叫んでいるように聞えた。
社内は意気に燃えていた。ちょうど10年めに入ったさわかみファンドが、日本の一般常識をブッ壊しつつあると日々実感する。これが本格的な長期投資だと、われわれは暴落相場を断固たる応援買いの姿勢で臨む。それを良しとするファンド仲間からの軍資金が次々と来着する。この大荒れ相場を、顧客と二人三脚で企業を応援していく骨太な投資運用は、まさにさわかみファンドの真骨頂である。
投信業界のみならず日本の運用ビジネス全般を見まわしても、これだけ投資家顧客の信頼をいただいているところは、どこにもない。それどころか、多くが株価下落や成績悪化で顧客からの解約に追われて売りまくっている。こんな棒下げ相場で投げ売っても、誰のプラスにもならない。それでも売っているのだ。
ありがたいことに、さわかみファンドはこの下げ相場を思う存分に買い向える。それも、ファンド仲間から続々と入ってくる軍資金をいただきながら。まさに、設定当初から目論見書に掲げている「良い投資運用は、良い投資家顧客とともに」を実践できている。ありがたいことだ。