“会長書きおろし”20年間の年次レポート

2010.08.24~2011.08.23
さわかみファンド、こんなこともあったね(第12期)

この期、日本株市場は上がりそうで上がらない膠着状態がずっと続いた。海外の株式市場では上昇基調に転じているのに、日本株はダラシない低迷を続けた。

それでも、さわかみファンドへの資料請求や、新規の口座開設、そしてお買い付けは相変らず続いた。以前よりはやや低めとなったものの、さわかみファンドへの世の信頼は相変らずで、ありがたい限りだった。

この当時のセミナーでは一部で、「2007年夏サブプライム問題での買いは早すぎたのでは? リーマンショックの後に買えば良かったのでは?」といった指摘もいただいた。たしかに結果論ではあるが、1年待てば同じ買うにしてもずっと安く買えた。

しかし、それはあくまでも後講釈である。リーマンショックで株価全般が1982年の水準にまで売り込まれるとは予想もつかなかった。長期投資では、そもそも相場動向を読もうとしない。この先どこまで下がるのだろうかと相場を読んだりせず、大きく下げたら応援買いする。それだけである。このリズムを絶対に崩さない。それが長期投資であると説明したものだ。

ところが、さわかみファンドではファンド仲間が逃げだすどころか、安いからといってお買い付けを優先してくれる。世の一般投資家と、さわかみファンドのファンド仲間とは、えらい違いだと誇りに思ったものである。