“会長書きおろし”20年間の年次レポート
- 2011.08.24~2012.08.23
- さわかみファンド、こんなこともあったね(第13期)
この期も、世界の株式市場はすこし戻しては大きく下げるを繰り返した。
その大波に揺られて、さわかみファンドの基準価額も上がったり下がったりを繰り返していた。
2012年3月にお送りした月次レポートがおもしろい。前年の3月から7月までは、こんな感じだった。
東日本大震災や電力不足などで低迷していた株価はさらに暴落した。それに対し、さわかみファンドは多くの機関投資家のように保有株を売却して損失リスクを回避したりはしない。逆に、積極的な応援買いを貫いた。
当時のお客様の声は「こういう時だから日本を買い支えたい」「日本を応援したい」だった。まさに、日本応援をさわかみファンドに託していただいたわけだ。
それが、2011年8月から11月にはユーロ問題や米国の景気減速、長期化する円高を受けて、相場はジリジリと低迷。それに対し、運用サイドは目先の株価の下落に恐れることなく、将来のためにじっくり丁寧に買い仕込みを続けるだった。
お客様の声には、「どこまで下がるか不安だ」「このままファンドを持ち続けていいのだろうか?」といったものも、さすがにチラホラしだした。こちらとしては「ここは頑張り抜こうね」の強い気持ちを発信し続けた。
それが、2011年12月から2012年2月になると、米国の景気回復期待や日銀の追加緩和決定を受けて相場は上昇。運用サイドのコメントは、下落相場は安値で丁寧に買い続けた効果もあり、基準価額が1ヶ月で1000円ほど上昇した月もあるときた。
お客様の声は「我慢して持っていて良かったよ」「現在の評価額が知りたい」と、一転して明るくなった。
この期もさわかみファンド丸は大波に揺られたが、ファンド仲間からの熱い声援があった。本当に心強い仲間だ。この信頼と期待には、なんとしてでもお応えしなければ。そう強く思っている間にも、さわかみファンドの基準価額は静かに底固めをしていった。