“会長書きおろし”20年間の年次レポート
- 2012.08.24~2013.08.23
- さわかみファンド、こんなこともあったね(第14期)
この期も、イライラのスタートとなった。
2012年10月末にお送りした月次報告書では、「10月もまた超低空飛行に終始し、心苦しさと歯がゆさで一杯です。それにしても、日本の株価低迷は異常です。これだけユーロ問題や米国の住宅ローン問題などが騒がれているというのに、ドイツや米国の株価はリーマンショック後の安値から80%以上も回復しています。ひとり日本株だけが底値を這っているのです。」と書いた。
われわれ運用サイドはガンガンに買っているが、日本株市場にはまったくといっていいほど買いが入ってこない。
構造的な売り圧迫要因だった企業や銀行の持ち合い解消もほとんど出尽した。買えばいくらでも上がるという状況なのに、なんとも日本の投資家はダラシないと、お客様レポートで吠えまくった。
それに対し、ファンド仲間の皆様は冷静そのもの。これだけ成績が低迷しても、さわかみファンドの「断固として買うぞ」の姿勢に、しっかりとお付き合いしてくれるのだ。
われわれは筋金入りの長期投資家を自負して、断固として企業の応援買いを続けている。それを良しとして、ファンド仲間は驚くほど骨太についてきてくれる。すごい長期保有型投信になってきたぞと、基準価額の低迷は横において感慨にふけっていた。
そうこうしている間に、基準価額はこの期の11月末に10,471円へ、12月末に11,601円へと戻りに入っていった。2013年に入ると、さらに加速し一気に17,000円台にまで上昇してくれた。
リーマン後の安値を徹底的に買い向った成果が出てきたぞと、ほっと一息である。ここまで戻してくれれば、ファンド仲間の皆様も一安心だろう。さわかみファンドを信じてずっと資金投入してきて良かったと思っていただけた。
この成功体験を、もっともっと多くの一般生活者に味わってもらいたいものだ。