“会長書きおろし”20年間の年次レポート
- 2017.08.24~2018.08.23
- さわかみファンド、こんなこともあったね(第19期)
この期、さわかみファンドは基準価額が2万9000円を超した。株式市場が上昇した追い風もある。だが、それ以上に大きいのは、厳しく銘柄選別し安値をていねいに買い増してきた成果だ。これが本格派の長期投資ファンドだと誇りに思う。
なによりも楽しいのは、ファンド仲間の皆様が「ずっとさわかみファンドを買ってきて良かった」と、自信を深めてもらえたこと。継続的な積み立て投資にしても、スポット買いにしても、その成果が基準価額の急ピッチな上昇ではっきり確認できる。
一度ならずとも「これが長期投資の成果だ」を実感してもらうのは、きわめて結構なこと。これから先で、大きな下げ相場に遭遇した時の対応が違ってくる。「よし、この下げはどんどん買ってやろう」と、自ら進んで強い投資サイクルに入っていける。この繰り返しで、ファンド仲間はじわじわと筋金入りの長期投資家になっていくのだ。
さわかみファンドのまわりで、そういった筋金入りの長期投資家が増えてきている。これは、なんとも心強いことである。その人達が長期投資の先輩モデルになってくれることで、これから投資をはじめようとする人たちにとって大いなる勇気づけとなる。
同様に、ファイナンシャル・インデペンデンスを達成したファンド仲間や、それが見えてきた人たちも、若い投資家の卵たちに最高のモデルとなる。なにしろ、顔つきが違う。年金不安だとか老後が心配だとかなど、まったく感じていない。それどころか、お金や気持ちの余裕を社会にまわしていくことを楽しんでおられる。
このあたりは、さわかみファンドにとって大きな財産である。間もなく20年になる実績は、他の追随を許さない。この財産というか、さわかみファンドの実績と強みを最大限に活用して、新たなるファンド仲間をどんどん増やしていきたいものである。