“会長書きおろし”20年間の年次レポート
- 2004.08.24~2005.08.23
- さわかみファンド、こんなこともあったね(第6期)
さわかみファンドの基準価額は12,000円台から14,000円台へとグイグイと上がっていった。といっても、一直線の上昇ではない。幾度も株式市場の下落に見舞われた。その都度、ファンド仲間の皆様からドサッドサッと軍資金が届けられる。
月中や月次報告書で株価全般が下げたら徹底的に買いますよと、繰り返し書いた。それに呼応するかのように、次から次へと買い入れ資金を届けてもらえる。つくづく、「良い運用は良い顧客と」を地で行けている幸せなファンドだなとごきげんだった。
「自立して堂々と生きていこう勉強会」を始めたのもこの期からだ。とある地域から地場の活性化案を話して欲しいと依頼されたところ、当時の若手社員で臨みコテンパンにやられたことがきっかけだ。われわれは、金融的なコンサルティングをするために働いているのではない。そういったものを求められる関係ではなく、長期投資によってそれぞれが自立することが大切だ。よって、「長期投資で経済的自立を目指そう。それでもって、堂々たる人生を送ろう」というコンセプトを世に提示していこうではないかとなった。
やりますと多くの社員が次々と手を挙げ、意気込んで第一回目の福山へ乗り込んだ。しかし、セミナー参加者の前で、さわかみファンドの長期投資をお話ししたものの、そう簡単には伝わらない。その悔しさからか、帰りの新幹線の中でビール片手の反省会は熱気がこもる。まわりの乗客に迷惑とならないよう注意しながらも、熱く語り合っているうちに東京駅に到着した。
その後、「自立して堂々と生きていこう勉強会」はどんどんピッチを上げて、全国各地で開催されることになる。ファンド仲間の皆様や、長期投資に興味ある方々に、直接お話しできるというのはありがたい。われわれがどれだけ情熱をもって「さわかみファンド」に取り組んでいるか、間近で感じてもらえる。
第6期で最大のトピックは、さわかみファンドの純資産額が1000億円を超えたことだ。思えば6年前、すったもんだしてファンド設定に漕ぎつけたものの、日本には例のない直販投信だ。どこまで伸びるかではなく、いつまで保つかと冷たい視線を浴び続けた。
それが、5万2千名のお客様と一緒に、メガファンド誕生を祝えるのだ。なんとも感慨深いものがあった。