資産運用を考えている方なら、アクティブファンドという言葉を聞いたことがあるかもしれません。
アクティブファンドは投資信託の種類の一つであり、一定の指数を上回る運用成績を目指す投資信託です。
アクティブファンドは大きな利益を得られることもありますが、一方で「アクティブファンドは勝てない」といわれることもあります。
そこで本記事では、アクティブファンドの概要やメリット・デメリット、アクティブファンドを選ぶ際のポイントなどについて解説していきます。
アクティブファンドとは
アクティブファンドとは、特定の指数を上回る運用成績を目指す投資信託です。アクティブファンドは、ファンドマネージャーの判断のもと、市場の状況を考慮しながら株式や債券などの有価証券を売買し、ポートフォリオの比率も調整しながら運用されます。
アクティブファンドとインデックスファンドの違い
アクティブファンドは、その名の通り積極的な運用が特徴であり、市場の状況に対して柔軟に対応し、市場平均を大きく上回るパフォーマンスを期待することもできます。
一方、インデックスファンドは、特定の指数に連動するように設計されており、運用方針もそれに従うものとなります。そのため、運用力の巧拙はあまり関係なく、特定の指数の値動きそのものがインデックスファンドのパフォーマンスに影響を及ぼす主要因となります。
アクティブファンドには、調査・分析等に人的コストがかかるため運用費用が比較的高い傾向がありますが、投資家にとって重要なことは手数料の高低だけではなく、自身の投資スタイルに合ったファンドを選択することとなります。
アクティブファンドのメリット
アクティブファンドのメリットについて、以下で解説していきます。
大きなリターンが狙える
優れたファンドマネージャーの運用によって、市場平均を上回る運用成績を狙える可能性があります。ファンドマネージャーが市場の状況を常にモニターし、適切な投資先を選択し、ポートフォリオの比率も適宜調整することによって、高いリターンを狙うことができるといわれています。
目的に合わせて商品が購入できる
アクティブファンドは運用に特徴があるものも多く存在します。特定業種の企業にフォーカスして運用されるものや、AIやアルゴリズムを用いて機械的に運用されるものなど、その特徴は様々です。
リスク分散、大きなリターンへの期待など、投資家それぞれが期待する目的に沿うアクティブファンドに投資することで、投資家のポートフォリオ戦略の幅を広げることができることも、アクティブファンドの魅力のひとつです。
アクティブファンドのデメリット
アクティブファンドのデメリットには、コストとパフォーマンスに対する懸念があげられます。
コストが高い
アクティブファンドはインデックスファンドと比較して、ファンドマネージャーやアナリストなど運用に携わる人間の数が多い傾向にあります。
アクティブファンドにはその分のコストが上乗せされるため、インデックスファンドよりもコストが高くなる傾向にあります。
コストは投資の意思決定をする際にも注意が必要です。例えば、せっかく運用益が発生していても、それを上回る購入時手数料を支払っていたのであれば、結果的には損をしたことになります。
投資の意思決定の際は、期待されるパフォーマンスに見合ったコスト水準か、という点も重要になります。
インデックスファンドよりパフォーマンスが下回ることもある
アクティブファンドは必ずしもインデックスファンドよりパフォーマンス面で有利になるわけではありません。
高い運用コストを払っても、結局インデックスファンドよりもパフォーマンスが悪いという場合もあります。
投資初心者はまずインデックスファンドによる運用を経験してみて、慣れてきたらアクティブファンドに挑戦してみるというのも考え方の一つです。
アクティブファンドはインデックスファンドに勝てない?
投資の世界では、「アクティブファンドはインデックスファンドに勝てない」と言われることがあります。これは本当なのでしょうか。その理由について深掘りしていきます。
アクティブファンドは運用コストが高い
アクティブファンドがインデックスファンドに勝てないと言われる理由のひとつに、高い運用コストがあります。
インデックスファンドはアクティブファンドと比較して運用に携わる人数が少なくて済む傾向があるため、運用コストを最小限に抑えて投資をすることができます。
一方で、アクティブファンドはその運用に多くのプロが携わることから、その分だけコストも高くなり、インデックスファンドより不利になります。
こうした背景が、「アクティブファンドはインデックスファンドに勝てない」と言われるひとつの理由でしょう。
高収益を狙えるアクティブファンドも多数ある
運用コストが高いといわれるアクティブファンドですが、良いアクティブファンドに出会えれば、運用コストの高さというデメリットを上回るメリットを享受することができる場合もあります。
運用会社や販売会社の公式ホームページにこれまでの実績が掲載されているはずなので、気になるアクティブファンドの成績を確認してみましょう。
アクティブファンドを選ぶ際のコツ
アクティブファンドを選ぶ際のコツとしては、運用パフォーマンスのほかに、運用コスト(信託報酬)、投資方針、リスク分散などを考慮する必要があります。
運用収益(パフォーマンス)を確認する
アクティブファンドの成績を確認する際には、そのファンドに投資すればどのくらい利益が期待されそうか、また、直近以外でパフォーマンスが悪化している時期がないかなどを細かくチェックします。
また、同じ期間中にインデックファンドと比べてどの程度パフォーマンスが良いか・悪いかも確認しておくと良いでしょう。
信託報酬を確認する
信託報酬は投資信託にかかる手数料であり、インデックスファンドよりアクティブファンドのほうが信託報酬は高い傾向にあります。
信託報酬は、アクティブファンドの中でも1%程度のファンドから2%を超えるファンドまでさまざまなので、各ファンドの情報を詳細に確認しておきましょう。
運用方針を確認する
アクティブファンドには、それぞれ特徴的な運用方針や投資方針が定められている場合が多く、ファンドマネージャーはこの方針に基づいてファンドを運用します。
ホームページや目論見書などに、ファンドの目的・特徴や主要な投資対象、投資する銘柄の選定方法などが詳細に説明されているため、必ず確認しましょう。
アクティブファンドを選定する際には、これらの運用方針が自分の投資の方針と一致しているかチェックする必要があります。
リスク分散ができるか確認する
多くのアクティブファンドは、リスク分散がなされるようにポートフォリオを組みますが、必ずしも投資家自身が考えるリスク分散と合致するとは限りません。
例えば、30銘柄に分散投資するのか、100銘柄に分散投資するのかでは、リスクの分散度合いは変わってきます。
自身の考えるリスクの分散が達成可能か、アクティブファンドのポートフォリオを確認してみましょう。
インデックスファンドと併用する
アクティブファンドはインデックスファンドよりも商品選定の難易度が高いため、投資初心者はまずインデックスファンドからはじめても良いかもしれません。もちろん、自分の投資スタイルに合うアクティブファンドが見つかったなら投資しても良いでしょう。
最近では1万円から運用が開始できるファンドも増えていますので、まずは少額からチャレンジしてみましょう。
まとめ
アクティブファンドは、勝てないと言われることもありますが、インデックスファンドより高いリターンが期待される場合もあります。
運用コストやインデックスファンドとの特徴の違いをよく理解し、適切にリスク管理をすることも重要です。
是非、今回ご紹介したアクティブファンドを選ぶ際のポイントをチェックして、自分に合ったアクティブファンドを見つけてください。
2023年4月1日時点の情報を基に作成
アクティブファンドの良さは、意志を持てること。それによってパフォーマンスは上にも下にも大きく振れる。
インデックスファンドには意志がないため、介在する人間を理由に価格が動かない。その点でインデックスファンドは安定的だと言える。
では、アクティブファンドの意志とは何か?
まずは投資哲学に沿った企業を選べること。また、その哲学や意志が投資家の資金をも動かすため、例えば暴落時の大量の入金はパフォーマンスを大きく向上させる要素となる。
つまり、一般的に言われるよりも2つのファンドの差は大きい。