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投資と投機の違いは?投資はギャンブルとは違うの?わかりやすく解説

投資はよく投機と混同されることがあります。両者は似ている部分もありますが、その本質には大きな違いがあります。
そこで今回は、投資をする際に絶対に知っておきたい、投資と投機の違いについて解説していきます。

投資と投機の違い|投資はギャンブルと違うの?

まず始めに、投資と投機のそれぞれの定義や違いについて確認しましょう。

投資とは

投資とは一般的に、中長期的な視点に立ち、将来得られるリターンを期待して資金を出資する活動のことを指します。投資の基本的な考え方は「将来の成長・発展の可能性に対してお金を投じること」です。
投資の場合、金融商品として株式や債券、投資信託などが利用されています。
対照的に、ギャンブルは運や偶然の結果に大いに依存し、短期的な利益を追求する行為です。高いリスクを伴い、一瞬で元本を失う可能性があります。そのため、投資は経済的な成長を促す手段として捉えられる一方で、ギャンブルは不確実性が高い活動とされています。

投機とは

投機とは、金融商品の価格変動を利用して短期的な利益を追求する行為です。そのため、価格の動きを予測することに重点が置かれます。
投資とは明確に異なり、資産の本質的な価値向上よりも、短期的な価格の変動を重視するため、短期間で大きな損失を伴う可能性があります。

投資と投機の分類

投資と投機では、以下のよう視点や行動を分類することができます。

投資と投機の違い

投資

投機

視点 中長期的な視点に立ち、将来得られるリターンを期待して資金を出資する 金融商品の価格変動を利用して短期的な利益を追求する
対象 企業などの価値 金融商品の価格
行動 金融商品を保有することで、利子や配当などの利益を得る 短期間で金融商品の価格差を狙った売買を繰り返す

 

投資のメリット

投資のメリットは、主に以下の3つが挙げられます。

複利の効果を活用しやすい

投資は一般的に、長期的に取り組むことで複利効果を得ながら地道に資産を増やすことが期待されます。複利は投資期間が長いほど大きな効果をもたらすため、若い頃からはじめるとそれだけ有利になります。

将来の資産形成につながる

普段利用していないお金を投資することで、効率よく資産を増やすことができます。現在、日本は低金利政策が続けられており、普通預金の金利は0.001%程度に抑えられています。そのため、いくら資産があっても、預金では一向に資産を増やすことができません。
生活費などには使わない余剰資金を投資にまわすだけで、将来の資産形成につなげることができます。

分散投資が可能

投資は金融商品の種類や地域、投資タイミングをコントロールすることで、リスクを分散させる「分散投資」が可能です。
投資信託などはあらかじめさまざまな地域の金融商品を組み込んでポートフォリオが組まれていることが多く、1つの投資信託を購入するだけで分散投資ができることも魅力のひとつです。

投資のデメリット

次に、投資のデメリットについても解説します。投資をはじめる前に、一度デメリットについても理解し、リスクを認識しておくことが重要です。

短期間では利益が得にくい

上述の通り、投資は企業の成長性を考慮し、中長期的な視点から資金を投じる必要があります。そのため、短期的な利益を求める人には向いていません。
また、投資は元本が大きいほど有利です。そのため、元手をそれほど用意できない場合は、毎月少しずつ積み立てるような地道な努力が必要になります。
長期投資は複利の効果を生かして数十年単位で大きな利益を得ることを目的としているため、資産の僅かな変動に目を向けるべきではないでしょう。

元本保証がない

投資と投機、どちらにも共通することですが「元本保証」はありません。たとえ、中長期の投資であっても、元本割れのリスクは残ります。
ただし、元本割れに関しても、分散投資を心がけることである程度リスクを低減させることは可能です。例えば投資信託は、数十から数百の株式や債券などに投資することで、個別の投資先に起因するリスクを分散することが期待できます。
投資信託はファンドマネージャーがポートフォリオを調整しながら運用してくれるため、初心者でもリスクを抑えて投資をすることが可能です。

長期的な予測が困難

投資は、長い時間をかけることでプラスのリターンを期待する行為ですが、将来得られるリターンやマクロ経済情勢を予測することは困難です。
たとえば、世界的な金融危機やインフレ、大手企業の経営破綻などは世界中に影響を及ぼしますが、個人投資家がこれらのリスクやタイミングを予測することは難しいでしょう。

投機がおすすめできない理由

一般的に、投機は良いイメージを持たれていません。では、投機にはどのようなデメリットがあるのでしょうか。ここでは、投機をおすすめできない理由をいくつか紹介します。

短期売買による負担

短期間で金融商品の売買を行う場合、最新の情報や相場の値動きなどを常にチェックしておく必要があります。仕事をしている人の場合、情報収集をしながら日々の生活を送らなければならないため、大きな負担になるでしょう。
また投機は短い期間で、大きな利益を得られる可能性があることが最大のメリットですが、逆に大きな損失を被ってしまうこともあります。刻一刻と移り変わる相場と向き合いながら短期的な売買を繰り返すのは、精神的に大きな負担となるでしょう。

大きな損失が発生する可能性がある

投機は、大きなリターンを狙うために過度に高いリスクをとってしまうことで、大きな損失を被る恐れがあります。たとえば、FXやCFD取引は元本に対して高いレバレッジをかけた取引ができますが、失敗すれば大きな損失が発生してしまうことになります。

長期投資に向かない

投機は会社の成長性などを見越した出資ではなく、その場その場の価格変動に着目した出資でしかありません。そのため、長期には向かず、複利の効果も得づらいというデメリットがあります。また、投機は短期間で何回も取引を行うため、手数料がかさむというデメリットもあります。

資産形成に投資がおすすめな理由

上記のように、投機と異なり、投資は長期間での資産形成に適しています。最後に、資産形成に投資がおすすめな理由を3つご紹介します。

分散投資ができる

単独の株式や債券などに投資することもできますが、リスクの分散を考えた場合、複数の金融商品に投資することで資産クラスや地域、取引タイミングも分散させることになるでしょう。
一方、投機の場合、一般的にはこうしたリスク分散を考慮したポートフォリオを組むことは意識されません。
さまざまなリスクを低減できることが、分散投資のメリットといえます。

長期投資で将来の資産形成ができる

長期投資は老後や子どもの教育資金など、将来的に必要な資金を準備するための資産形成に適しています。
長期投資は国も推奨しており、NISAやiDeCoなど、非課税での運用が可能な制度も充実しています。

ほったらかしで運用できる

分散投資が可能な投資信託を購入する場合や、投資一任型のロボアドバイザーが運用を代行してくれる場合などは、ある程度ほったらかしにしていても投資を続けることが可能です。
たとえば、投資信託でつみたて投資する場合は、毎月の積立日と金額を指定するだけで、あとは自動的に銀行口座から証券口座へ資金を移動させてくれるサービスもあります。また、ファンドマネージャーが自分に代わって運用してくれるとともに、レポートなどで運用状況を知ることもできます。
このように、投資は自分の時間を有効活用できることも魅力のひとつです。

まとめ

投資と投機は類似点があるものの、根本的に資金の使い方やリターンへのアプローチが異なります。
投機は短期的な利益の獲得を目指すものですが、その分リスクも大きく、毎日の情報収集や精神的負担も鑑みると、決しておすすめできるものではありません。
分散投資を原則に、NISAやiDeCoなどの非課税制度も活用しながら、長期的な利益の獲得を目指す長期投資が将来の資産形成には重要と考えられます。
とはいえ、投資にもデメリットはあります。今回ご紹介した投資のメリット・デメリットを考慮して、無理のない現実的な資産形成を進めてください。

2023年4月1日時点の情報を基に作成

 

さわかみ投信代表の視点

本当の意味での投資と投機の違いは、金融商品の種類や投資期間の長短ではないんだ。
投資か投機かを決めるのは、あなたの心構え次第。
暗号資産であろうと投資にもなりうるし、10年以上の投資期間をもっても投機になることもある。