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投信とは?分配金・基準価額の仕組みやリスクについても解説

資産形成や老後資金の準備に人々の関心が集まる中、投信(投資信託)の重要性はますます高まっています。
しかし、投資信託は馴染みがないと複雑に感じ、投資を踏みとどまってしまう人も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、投資信託の基礎知識を解説するとともに、考慮すべきリスク、目的別ファンドの選び方などを解説します。

投信とは?

投信は「投資信託」の略で、投資家から集めたお金をひとつの大きな資金としてまとめ、運用の専門家が株式や債券などに投資・運用する商品です。運用資産は、株式や債券などの投資商品が複合されます。金利が低い現在、投資信託は老後資金を準備する方法のひとつとして注目を集めています。

投信の「分配金」とは

投資信託における分配金とは、投資家に対して定期的に分配されるお金のことを指します。投資信託は、複数の投資家が出資し、ファンドマネージャーがその資金を運用します。投資信託からの分配金は、運用資金の中から分配されるため、分配金を受け取ることで、投資家は定期的な収入を得られる可能性があります。

投信の「基準価額」とは

投資信託の「基準価額」とは、投資信託の値段のことを指します。
投資信託の取引単位は「口」であり、一般的に基準価額は1万口あたりの投資信託の値段として表されます。

投信には手数料がかかる

投資信託の手数料には、「信託報酬」「販売手数料」「信託財産留保額」などいくつかの種類があります。投資する商品や投資金額によって、どんな手数料が、いくらかかるかが変わってきます。同じ投資商品でも、販売会社によって販売手数料が異なる場合もあるため、投資する際には手数料の仕組みをよく理解することが大切です。

理解しておくべき投信のリスクとは

投資信託で投資をはじめるにあたっては、様々なリスクがあることを理解しておく必要があります。ここでは代表的なリスクについて個別に解説します。

価格変動のリスクがある

老後資金を投資信託で用意する場合、価格変動のリスクがあることを認識しましょう。投資信託は株式市場や債券市場の値動きに影響を受けます。市場が下落すると、投資信託の基準価額も下落する可能性があります。
一方で、市場が上昇する場合は、投資信託の基準価額も上昇する可能性があります。リスクを抑えるためには、異なる種類の投資信託に分散投資することが重要です。

為替変動のリスクがある

投資信託に投資する場合、為替変動リスクに直面する可能性があります。投資信託には外国資産に投資するものもありますが、その場合は外国為替市場の変動によっても投資信託の基準価額が変動します。
為替変動リスクを最小限に抑える手段として為替ヘッジを採用する投資信託もありますが、そのような投資信託には為替ヘッジコストが発生し、投資家の負担する手数料が高くなることもあります。

金利変動のリスクがある

金利変動のリスクとは、その名の通り金利が変動することにより資産価格が増減するリスクのことを言います。一般的に、金利が上昇すれば債券価格は下落し、金利が下落すれば債券の価格は上昇するとされています。債券に投資する投資信託の場合は、このような金利の上下によっても基準価額が変動します。
こうした個人でコントロールできず、予測も難しい経済動向が要因となり、基準価額が変動するリスクもあると覚えておきましょう。

デフォルトのリスクがある

投資信託におけるデフォルトのリスクとは、投資信託が債券に投資している場合、債券発行者の財務状況が悪化し、債務不履行に陥った場合に発生するリスクのことです。
こうした場合、投資家は債券の利息や償還金をあらかじめ定めた条件で受け取れなくなるため、大きなリスクとなります。

投信のリスクと上手に向き合う方法

上記のように、投資信託にはさまざまリスクが伴います。そこで次に、こうした投資信託のリスクと上手に向き合う方法について考えていきましょう。

分散投資が原則

投資信託において、分散投資はリスクを軽減するために非常に重要です。分散投資とは、複数の異なる投資対象に資産を分散することです。
たとえば、ある投資信託に全ての投資資金を振り向けるのではなく、複数の投資信託に分散投資することで一つの投資信託の価格変動が投資資産全体に及ぼす影響を低減することができます。また、異なる投資対象に資産を分散することで、リスクとリターンのバランスをとることもできます。
分散投資には、地域分散や資産分散(株式や債券など異なる資産に分散投資すること)などが考えられます。投資信託は、専門家が運用するため、個人投資家でも手軽に分散投資を行うことができます。

時間の分散投資も重要

投資信託は購入価格と売却価格の差が損益となるため、いかに安く購入できるかという点が重要となります。
しかし、投資信託の価格(基準価額)が安いのか、高いのかを判断することは非常に難しく、投資信託をある時点で一括購入すると高値掴みになってしまう可能性もあります。
そこで、購入金額と購入のタイミングを分散させ、それを長期間継続するという、時間の分散投資が有効になります。
時間の分散投資により、投資信託の取得価格が平準化され、一括で投資信託を購入する場合と比較して高値掴みリスクの低減が期待されます

投信で重要なファンドの選び方

ここでは、目的別の投資信託の選び方をご紹介します。

換金性を重視する人向けのファンド選び

換金性を重視する人が選ぶべき投資信託は、現金化が容易で、取引手数料が低いオープンエンド型投資信託が適していると考えられます。
投資信託には、一定期間解約が制限されるクローズドエンド型投資信託というものも存在し、オープンエンド型投資信託と比較すると換金性に劣ります。クローズドエンド型投資信託は投資家の任意のタイミングで換金することができない場合もあるため、長期的な視点で投資信託を保有する前提であっても、換金性を重視する人においては注意が必要です。

分配金が欲しい人向けのファンド選び

分配金を重視する人には、配当金の多い株式に投資する株式ファンドや不動産ファンドが適しています。ただし、分配金が多い分、基準価額も切り下がる傾向があるため、分配金も加味した上での総合的な投資成果を測るトータルリターンに着目する必要があります。
これらのファンドは、投資先の企業や不動産市場の状況によっては、分配金が減少する可能性があるため、注意が必要です。
また、分配金を重視する場合でも、ポートフォリオの分散は重要です。不動産や株式に投資するファンドを複数保有することで、リスクを分散させることができます。

老後資金など長期投資を考える人向けのファンド選び

長期投資を考える場合、バランス型ファンドや成長株ファンドも選択肢の一つとなります。
バランス型ファンドは、株式と債券にバランスよく投資しており、リスクを抑えつつ、長期的に安定した運用成果を期待します。また、成長株ファンドは、将来的な成長が期待される企業の株式に投資することで、値動きはある程度激しくなるものの、長期的に大きな運用成果を狙うことを期待します。
ただし、投資信託を長期投資したとしても、投資先企業や市場の状況によっては基準価額が低下する可能性もあります。そのことから、バランス型ファンドや成長株ファンドに投資する場合であっても、複数の投資信託を組み合わせて保有することでリスクを分散させることも重要です。

まとめ

本記事では、投資信託の仕組みやリスク、目的別のおすすめファンドなどについて解説してきました。
投資への関心の高まりや老後資金の準備の必要性が認識されるようになった現在、投資信託も資産形成の重要な選択肢のひとつになっています。
本記事を参考に、投資信託を資産形成の手段として活用してみてください。

2023年4月1日時点の情報をもとに作成

 

さわかみ投信代表の視点

リスクがなきゃ、リターンもないよね。ま、頑張って!