産業廃棄物の処理から貴金属の製錬・加工まで
廃棄物を資源化するリサイクル産業のリーディングカンパニー
金銀はじめ多様な金属を含む小坂鉱山の開発を起源に、長年の研究開発により鉱石に複雑に入り混じった金属を分離回収する製錬技術を蓄積。これを応用しパソコン・携帯電話に代表される使用済み電気製品から貴金属・レアメタルなどを回収資源化できる同社は、非資源国である日本にとって極めて貴重な存在であることは疑いようがない。製錬のみにとどまらず、金属の半導体製品・銅合金・メタル粉への加工やメッキ事業など、製錬したメタルを活用した加工事業へも積極的に展開している。また、環境リサイクル分野では廃棄物の収集・運搬から減量化・無害化する中間処理、そして最終処理まで一貫したリサイクル事業を国内だけでなく海外でも行っている唯一の企業である。最近では処理問題が取り沙汰されているPCB廃棄物の熱処理炉を稼働させ、処理する過程で発生する熱をエネルギー源として余すことなく活用するなど、リサイクルにかける姿勢は徹底されている。大量消費時代の限界が見え社会全体が成熟循環型に移行せざるを得ない現在、静脈産業において先導的な同社の存在は、これから増々重要になっていくに違いない。
【アナリスト 植木 祐介】