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2014年1月27日訪問(北九州市八幡西区、本社)/アナリスト 坂本 琢磨

 

今回訪れたのはロボットで有名な株式会社安川電機です。ロボットといっても二足歩行のガンダムや鉄人28号ではありません。自動車産業でいえば、溶接や塗装、重たいインパネの装着など、人間に負荷のかかる工程に主に用いられている、目、神経、筋肉からなる大きな腕のようなロボットです。先日、日系の某大手完成車メーカーの最先端工場へ見学に行きましたが、そこに何十台、何百台と並べられていたのが同社の青いスマートなロボットでした。同社がロボット展で展示していたスパッタ※の少ない溶接ロボットや、柵を設けることなく人と共同で作業できるロボットによって構築された製造ラインは、まさしく戦略工場の名にふさわしいものでした。ですから同社のロボット生産工場も自動化された生産ラインを用いていると思っていましたが、実際はそうではありませんでした。

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小倉祇園太鼓に出演したロボットのデモンストレーション

小型ロボットでは自動化が進むものの、半導体製造装置用ロボットや溶接・塗装ロボットはほぼ手作業で組み付けをされており、労働集約的な側面が非常に強かったのです。自動化を進めない理由は、生産ロットが小さいために自動化の効果が小さい点にあります。小型ロボットの生産の自動化においても、生産効率を上げるというよりは技術の研鑽やアピールの意味が強いようです。ロボットを生産するロボット以上の性能のロボットは作れません。最終的にロボットの性能を上げるのは人間の知恵であり技能です。今後はアプリケーションの技術やシステムインテグレーションのサービスでの付加価値がさらに高まっていくことが予想されます。そこはロボットにはできない分野であり、ロボットが作りやすいロボットを設計する、顧客の工場でシステム化しやすい設計にするなど、生産・開発においても人とロボットの共存が今後のテーマになるのではないでしょうか。
祖業のサーボモータからはじまり、日本のもの作りを支えてきたのが同社のロボットです。今後は注力しているバイオメディカル分野での成功に期待したいと思います。
※スパッタ…溶接中に飛散する金属粒

参加されたお客さまの感想
●実際に「物」を見ると、はっきりとしたイメージが持て、これからもっと技術革新していくであろうという確信が持てました。
●見ていても楽しいロボット製造過程。機械組立だけでなく、家事・介護など人間の補佐もできるようになったことは、近未来を見ている様だ。日本の人口減に対して、世界でのさらなる活躍を望みます。
●北九州にこのような素晴らしい工場があることが、誇らしいです。常に時代の先端の産業分野を支えてきたというフレーズに感動いたしました。次の相場下落期には、株主になりたいと思いました。
●産業用ロボットで、素晴らしい業績を上げている。新世代ロボットで﹁人との協調性を高め、事業領域を拡大される﹂ということなので、近い将来、身近に使えるロボットが流通するのを楽しみにしています。
●どうしても人間が関与しなければならない難しい部分があったことに、驚きました。また自動化するだけで採算性、収益性が上がるものではないことが理解できました。

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