2014年6月19日訪問(東京事業所・テストセンター)/アナリスト 内藤 真理子
今回はホソカワミクロン東京事業所・テストセンターを訪問しました。食品、医薬品からIT製品やナノテク製品まで、世界中ほとんどの製品は、原料か中間工程か最終製品か、その製造過程のいずれかで粉体の姿になっており、粉砕、分級、混合、乾燥、造粒、捕集、供給、排出、輸送、計測など様々な粉体技術が求められます。同社は製造工程に必要なすべての機器を扱う世界唯一の企業です。もともとは粉体を作る機械の製造・販売メーカーでしたが、60年代に海外企業とクロスライセンス契約を締結。80年代には欧米の有力企業をグループ化し、粉体加工に必要なすべての機器を取り込んできました。現在では市場の最先端の要求を満たす新しい技術・製造方法の開発、製造、販売を行う研究開発型企業としてあらゆる課題解決に貢献しており、リチウムイオン電池の電極材の開発などは現代社会に大きく貢献しています。
今回の訪問ではテストセンターで実際に使用している混合機や粉砕機などの設備を見せて頂き、測定室では粉体特性評価装置を使った測定を実演して頂きました。同社の粉体特性評価装置は粉体の流動性や噴流性を数値で評価することができ、今日までに3千台以上の納入実績を誇っており、優れた機能と多くの実績から粉体の力学特性を測定するためのグローバルスタンダードとしての地位を確立しています。特に、見学中に社員の方が「粉体について困ったらホソカワミクロン。粉体技術の駆け込み寺。」とおっしゃっていたのが印象的でした。
見学が終わった後、宮田社長が企業説明と質疑応答をしてくださり、参加したお客様から出た厳しい質問にも真摯にお答えくださいました。
私達の身のまわりで高付加価値化が進むにつれ、世界のニーズもミリからマイクロメートル、そしてナノへとより高度なものが求められています。同社がリチウムイオン電池をはじめとした高付加価値市場で世界をリードしてくれることに期待したいと思います。
参加されたお客さまの感想
●食品、医薬品から電材とあらゆる製品を製造する際、貴社の製品が材料を粉砕・分級に必ず関わっていることを知り、驚きました。
●比較的オーソドックスなビジネスモデルでの経営で、技術力を主とした製品を出されていますが、新しいビジネスモデルを創っていくのと同時に新しい製品を作る為の基本技術開発に期待します。
●別室で見せて頂いた「ピコライン」や測定室での「パウダーテスタ」が印象的でした。また、社長様の企業説明や質問コーナーでの回答も納得することがたくさんありました。
●自分が投資しているファンドに貴社が入っている、どんな業務をされている︙と大まかではありますが、部分的に理解できたのが良かったです。
●紛体加工の広がりで、社会に貢献していることがよくわかりました。人を重視する経営感覚も、グローバルに展開していることもすごいですね。会社毎、地域や国にあった実績感覚を持っていることも期待できます。