世界のカテーテル治療を支える極細ワイヤーロープの製造企業
一度使えば分かると、医師も絶賛の「手元追従性」
1976年、プリンターの駆動用ワイヤーロープを製造・販売する会社として誕生。人間の髪の毛よりも細い(直径0.01~0.02㎜程度)ステンレスワイヤーを紡ぎ、独自のコーティングを施して産業・医療機器分野に変革をもたらしてきました。例えば、産業分野ではフィルター掃除機能付きエアコンに同社のワイヤーロープが採用され、限られた空間でシンプルかつ精密な3次元駆動伝達を可能にしました。同社売上げの約9割を占める医療分野では、カテーテル治療に使うガイドワイヤー(GW)を日本で初めて作り、その治療の成功率を50%から90%台へ飛躍的に高めることに貢献しました。狭心症や心筋梗塞などの治療として外科手術ではなく、皮膚に直径数ミリの穴を開け、カテーテルという細いチューブを血管に挿入するPTCA治療は、低侵襲治療法として世界中に拡大しています。GWの最も重要な性能は、血管内で医師の手技と同じ動きをし、カテーテルを患部まで誘導することです。同社のGWはその追従性と操作性で世界の医師から高い評価を得ています。今後も産業・医療両分野からの様々な要望に応えるために技術者魂を奮い立たせてくれることでしょう。
【アナリスト 大澤 眞智子】