「入門 般若心経の読み方」
ひろ さちや著
日本実業出版社
長期投資を続けていると、複利の雪ダルマ効果で資産の殖えるスピードが加速しだす。そして、どこかで「このぐらい資産があれば安心だ」と思える、ファイナンシャル・インデペンデンスが待っている。もうお金にとらわれることなく生活していける段階に達するわけだ。
そこから先は、自分の資産をどう有効につかうかが大きなテーマとなってくる。なにしろ、生きていく上で必要とする以上にお金がどんどん殖えていくのだ。
もっとも、ひたすら資産を殖やしていくことを生き甲斐として、最期に相続税をたっぷり支払うのも、その人の自由。
どうせ余裕のあるお金だ、自分の思うがまま世の中のためにつかっていくのはどうか。すごくカッコ好いじゃないか。
そのあたり、長期投資の先に広がる世界を30代にやたら考えた。お金にとらわれない自由自在の生き方とはどんなものか、あれこれと多くの書物を読み漁った。
そのうち、「お金のみならず、いろいろなことにとらわれない生き方とは」といった問題意識に入っていった。そして、ごく自然にたどりついたのが般若心経である。
それからというもの、般若心経に関する書物を片っ端から読んだ。とりわけ気に入ったのが、般若心経のいう「空」の概念である。
お金もあるようで無いと思えば、未練なくきれいにつかえる。無いようであると思えば、お金をつかう時の価値がグーンと高まる。
般若心経は数多く刊行されている。さまざまな著者による、いろいろな解釈や読み解きも結構おもしろい。