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収益の鍵はいかに「環境にも優しくムダがないもの」を作るか
 
 ITバブルを経て2000~2005年にパソコン市場が拡大し、現在はスマートフォンやタブレットに移行しています。環境が変わり業績が厳しい時代もありましたが、収益力を向上し続けてこられた鍵はなんでしょうか?
 
 機能を求められる薬品は、材料である資材により高い付加価値が要求されます。配線を細かく、より薄くすることで世の中の要望に応えていく流れがありました。しかし2000年以降、パソコンからスマートフォンやタブレットへと移行すると、「軽く小さい」だけではなく、「より安く」という流れになりました。しかもただ安いだけではありません。安く、コンパクトに、さらに「環境にも優しく無駄がない」ものです。コンパクトなものを作るための生産技術は難しくなりますが、それをできるだけ簡単に作れるような薬品をというコンセプトでやってきました。お客さんの歩留まり※が向上するということは、そのお客さんのコストが下がり、大きなメリットとなります。高付加価値の製品を作ることが主流になっていた2000年以前と違い、より安く良い物を、環境負荷を下げて素早く製造することへの貢献が我々の目指してきたところです。それによって薬品の価格は少々高くなっても選ばれ続けるようになる。これが環境変化の中での生き残り、収益力を上げてきた鍵になったと思います。
 
 高密度電子基板の処理剤として世界でも高いシェアを誇っているので、ビジネスを無理に拡大しなくてもある程度収益は見込めると思います。一般的に電子部品に関わる産業では付加価値を高めることによってより高機能製品となったけれども、価格を上げることができず苦しんでいる企業もあります。そういった環境下でも企業として成長し続けることができたのは市場がニッチだからということだけではなく、顧客のニーズを先回りし取り込んできた結果、頼るところが結局は御社になっているからだと私達は考えています。
 
 そうですね、我々の製品を使っていただける理由は、当社の製品を使用することで電子基板の更なる高機能化が実現でき、かつ、歩留まりを向上することで結果的に安くつくることができるからです。お客さんからみれば薬品のコストを上乗せしても歩留まりが上がるから大きなコストダウンができる。我々も、より付加価値の高い製品をより多く買っていただけるのでどちらにもメリットがでます。このサイクルが、最終製品が代わっても我々の薬品を使っていただけるポイントなのです。
 
 市場が大きくなっているにも関わらず収益力が落ちてしまう企業もあります。強い企業とタッグを組むことで市場の拡大に乗ることは出来るのですが、価格決定権が無く結局は強い企業とのビジネスでのみ生きることになり、足元を見られ単価を下げられジリ貧になってしまうこともあります。ビジネスが無くなる恐れもある中で、御社はどこかに依存しているように見えません。
 
 技術力の高い大手企業とは一緒に開発し商品化する必要がありますが、我々がどこまで自社独自で仕上げられるかという所が大事です。最初から共同開発にするとやはり制約や依存する部分が多くなりますので独自の開発力を持つということは非常に大切です。そうすれば巨大企業とも技術的には対等にお付き合いができます。

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