Sawakami Asset Management Inc.

CONTENTS
# タグリスト

img_horizon01.jpg img_horizon02.jpg

 

 

2つの時間

仕事や家事で必要だから使う「消費型の時間」。夢や家族・友人のために使う、急がないけれど大切な「 投資型の時間」。2つの時間を活かし自分らしく生きる、それが本来のタイムマネジメント。と仰る岩田さんは、時間を味方に人の魅力を引き出すコーチングのプロだ。

そんな岩田さんのもう一つの顔は「銀座のおさんぽマイスター」。銀座の魅力をおさんぽ感覚で探るコーディネータをしている。一般的な、銀座=華やかで敷居 が高いというイメージは、誤った先入観と岩田さん。約400 年前、銀貨の鋳造所として生まれた銀座には、京都からの銀職人が“ 雅”を、江戸っ子の町民文化が“ 粋” を持ち込み、魅力を重ねてきた街。それは「お金だけでは手に入らない自分だけの宝ものに出会えるチャンス」があることだと言う。

 

img_horizon03.jpg

色感は人生の宝もの

岩田さんとのおさんぽは、与謝野晶子ゆかりの画材屋「月光荘」からスタート。創業者である橋本兵藏さんが、高価な輸入絵具しかなかった戦時中、友人の絵描 きのために国内初の純国産絵具を誕生させた。その情熱と技術を継ぐ二代目、日比社長は「上手い絵なんて描こうとしないで。一色でもいい、裸の気持ちを筆に 乗せるの。ありままのあなたを相手に伝えるのが絵。他人の評価ありきじゃないわ。」と言う。

外国人投資家の二番煎じで株の高値掴みをするのと同じで、人気の画風を真似るだけの絵はダサいのだ。創業100 年を目前に日比社長は言う。「老舗だなんて一度も思ったことがない…お客様の心に耳を澄ませ、本物の色を届ける、それだけよ。」

職人が創る艶やかな絵具と笑顔のスタッフに見守られる月光荘には、新たな“ 自分色” に出会えるワクワクがある。

 

江戸からのリターン

次は、世界へ浮世絵文化を発信し続ける渡邊木版美術画舗へ。広重・北斎等による名作のオリジナルや新版画の復刻版を直売する同店は、木版画の摺師も育てて いる。「何十年、何百年前の作品に私たちは助けられています。次の時代に向けて、今すべきことをやらせていただいているだけです。」と渡邊店主はいう。江 戸時代、大衆の愛した浮世絵が結果として世界に誇る芸術作品になった。それでは今日の暮らしにも未来のアートが潜んでいるのか?それは、私たち生活者の美 意識次第。同店では本物の浮世絵を張りあわせた普段使いの団扇(うちわ)も販売される。日々の暮らしを彩り、日本人の感性に眠る「日本美」を呼び起こす古 くて新しい浮世絵が、渡邊木版美術画舗では待っていた。

 

img_horizon04.jpg

2つのエン

このように呉服屋・和菓子屋・料亭はじめ名店に足を運び銀座の魅力を五感で満喫する岩田さんのおさんぽは、不思議とよく路地裏を通る。実は、表から見えない名店の路地裏にこそ銀座の美しさが宿るという。

「100 年続く店には理由があります。お金はお客様からの感謝の印。だから、粋で雅な銀座のお店は価格以上の価値をお客様に贈ることが使命。安く仕入れて高く売る のが絶対の資本主義にあって、それは決して生易しいことではありません。旦那、職人、芸者、売り子、取引先。物やサービスが生まれてお客様の手元に届くま で全員が汗を流して初めて生まれる価値がある。一人でも途切れては駄目。だから、銀座で商売を続けるには“ 円” と“ 縁” 二つのエンが必要です。変わり続ける市場と対峙し、お客様に喜んでいただける本物だけを贈り続けるという“ 徳” を重んじる地道な商い。銀座が世界一の商業都市たる所以は、まさに400年をくぐり抜けてきた資本主義と徳を両輪とした銀座道にあります。」

弊社の理念、そして岩田さんのさわかみファンドを始めるきっかけでもあった「長期投資でおもしろい世の中づくりを」。この思い、銀座や人々に愛され続ける 各地域では、ずっと昔から大切にされてきたことなのかもしれない。変わり続ける世の中にあって、変わらずに受け継がれてきた銀座道が垣間見える掃き清めら れた銀座の路地裏。お金だけでは手に入らないあなただけの宝ものを見つけに、おさんぽしてみませんか?

【直販部 佐藤 紘史】

関連記事
RELATED

「ファンド仲間の皆さま」の他の記事
OTHER