事業改革に目途をつけ、社会インフラ企業として
機関車の如く力強く動きだした同社に期待します
旭硝子株式会社は、1907 年に三菱財閥の岩崎俊彌氏により設立されたあらゆるニーズに適応可能な世界最大手の総合ガラス企業です。祖業であるガラス事業は1909 年に尼崎市にて住宅などに使用される板ガラスの工業生産を日本で初めて行い、1981 年には欧州のガラス生産の本場であるベルギーに進出するなど、日本のガラス業界きってのパイオニアです。近年ではテレビやスマートフォンに使用される液晶ガラス基板を生産し、ガラス事業に加えて目薬などの医薬品や農薬の原料となる医農薬中間体の生産もしています。同社の特徴は積極的に販路を開拓する姿勢と、ガラス利用者の負担削減の工夫にあります。具体的にはサッシメーカーのトステム(LIXIL)と提携することで、新築の窓ガラス需要やリフォームに係るガラス需要を積極的に取り込んでいます。また、スマートフォンのカバーガラスに使われる硬い化学強化ガラスの切断方法を開発し、納入先の生産効率改善に寄与しています。ライバル会社よりも効率の良い化学強化ガラス生産方式を駆使して、今後も積極的な攻めの姿勢が期待されます。
【アナリスト 福田 真二
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