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農事組合法人カヤノ農産(大分県杵築市)

 

株式会社伊藤園の茶産地育成事業を代表する茶園、カヤノ農産を訪問。
副社長の渡辺様、農業技術部荒井様にご講演いただきました。

 

 

 

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12:00 福岡から別府へ
今回の企業訪問ツアーでは福岡からもバスでお客様をお連れしました。昼食をとり、別府集合のお客様と合流します。

 

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13:00 バスにて移動
福岡・別府のお客様と一緒にバスにてカヤノ農産へ。車中、歌代より同社の会社概要をご紹介。

 

 

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13:40 カヤノ農産にて茶畑を見学
小雨が降り霧がかる中、約32ha という広大な茶畑を見学。その規模に圧倒されました。重機が並び材木チップが敷かれた茶畑は、建設業の斬新な工夫を感じます。

 

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14:20 収穫した茶葉を加工する工場へ
茶葉は収穫後、隣接する工場にてすぐに荒茶加工されます。「お~いお茶」の原料となる専用茶葉はこちらで生産されています。

 

201509_tour7.jpg15:30 別府亀の井ホテルにてご講演
取締役副社長の渡辺様から世界市場における同社の展開を、農業技術部部長の荒井様からは茶産地育成事業について伺いました。ご講演後は、社内資格制度である「ティーテイスター資格」をお持ちの社員様が淹れた、味わい豊かな緑茶をいただきながら座談会。同社のこだわりを実際に見て聞いて体験する、大変有意義な会となりました。

 

 

 

 

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茶産地育成事業の意義に触れた一日

 新芽摘みに最適な時期を選んで大分県杵築市の山間地の高原にある大規模茶園を見学させていただきました。標高530 mの急斜面の林道を登って到達する茶園は、以前は桑畑の耕作放棄地で雑木林だったそうです。2002 年に株式会社伊藤園と大分県が耕作放棄地活用のために茶産地育成協定を締結し、事業参加者を募集した際に広大な遊休農地を造成する土木用重機を所有する株式会社昭和建設工業が事業参画を決め、2006 年に農事組合法人カヤノ農産を設立し茶事業に進出しました。
 
 日本国内の茶の作付面積は現在45,400haですが、後継者不足から過去10 年の間に3,100haが減少しています。一方、 緑茶飲料の国内需要は堅調であり、加えて海外でも健康志向で緑茶が息の長いブームとなり茶葉輸出は10 年で4倍に増加しています。同社の予測では、今のペースで茶畑の作付けが減少すれば近い将来に飲料用茶葉が不足すると見通していることから、耕作放棄地の解消だけでなく国産茶葉100%を維持するためにも茶産地育成事業に力を入れています。
 
 同社は、カヤノ農産が毎年収穫する茶葉の全量買取・長期契約を結ぶほか、同社の農業技術部が、異業種から参入したカヤノ農産に継続的に技術支援をしています。カヤノ農産では、幼木の畝の間に材木チップを敷き詰めて除草する方法を考案、試行錯誤し栽培効率を改善してきたそうです。現在では一法人で畑1枚30ha の植栽面積は全国一の広さで、生葉を成分分析して茶摘みのタイミングを決め、大型の生葉摘採機4台で作業区域を回り最適な時期に迅速に茶摘みを終えます。さらに2013 年には、隣接する敷地に飲料用茶葉専用工場を新設、加工事業も始めました。
 
 農業技術部の荒井様のご講演では、温暖で比較的平坦な土地の多い九州地区で新産地開発が続いたものの、これからは独自の茶葉加工技術で「お~いお茶」に求められる品質や価格で全国どこにでも茶産地を作ることができるとの自信を伺いました。
 
 100 種類ある飲用茶葉の中で、品質適性、多収量性、耐病性などの栽培適性で10 種類を選定し、原料茶葉の産地間の品質のばらつきを解消し、さらに飲料の充填委託先の工場では毎日検品し、同じ品質基準を守る企業努力がその背景にありました。農業技術部は11 名のチームで構成されており、耕作放棄地を活用しながら茶の若手生産者育成のために、新規案件の土地図面を持って全国を回っておられるそうです。
 
 カヤノ農産の場合には現地視察時に図面を持っていき、その場で暗渠工事の相談を始めた逸話も伺いました。
 
 副社長の渡辺様のご講演では、現在の海外売上比率は5%もないものの、2017 年以降に10%以上を目指していること、茶葉の世界市場は首位が「リプトン」のユニリーバ、同社は4位にあり、自社ブランドで抹茶や緑茶を食文化とともに世界に普及していく計画を伺いました。日本の茶葉輸出先の半分は米国向けで同社は米国向けの1/4 の輸出を取り扱っています。
 
 日本の文化「緑茶」を守るためにも、同社を応援する意義を改めて確認する一日となりました。
 
ファンドアドバイザー
歌代 洋子
 
 

 

参加されたお客さまの感想

●100 年、200 年、300 年と末永く社会貢献する企業であって下さい。
 

●短期の増益重視ではなく、長期的視点で忍耐強く取り組んでいるのがよく分かる。

●契約農家に対しての支援など、どのような取り組みを行っているか理解できました。後継者問題がよく取り上げられていますが、法人化することによってその問題を解決しようとしている点等、とても良いと感じました。
 

●九州の農業が活性化されるのはうれしいことです。自然、健康、安全、利益追求の競争に負けないで欲しいと思います。いろんな努力が直接聞けて良かったです。
 
●これからは伊藤園のお茶は安心して飲めると思いました。企業として、消費者、生産者に対して責任を持って取り組んでいらっしゃると思いました。
 
●セミナーに参加して伊藤園様の企業イメージが向上しました。人口減に伴い日本市場は縮小することが予測される中、最近の健康志向を考慮して完全無添加等の高付加価値緑茶等を製品化して頂きたいと思います。
 
●お茶(日本の農業)に対する愛情を感じられました。お話を伺って伊藤園がとても身近に感じられました。自然・健康・安全のコンセプトや特保の部分を消費者にもっとアピールしてもいいのでは?と思いました。
 
●お茶文化を守り普及させる姿勢が明確。一方、Global に展開するためには、大規模・効率性を追求し、IT 技術を駆使されていることがよく分かりました。 ぜひTop ブランドの確立に邁進して下さい。

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