テープで世界に新しい価値を提供していける加工型の化学企業
70 業種に13,500 種類の製品を提供。顧客の「困った」が次の仕事へ
創業100周年を迎えようとする老舗化学企業。液晶ディスプレイに用いられる偏光板や、スマートフォンに組み込まれるタッチパネルに必要なITOフィルムの世界シェアNO.1であることが有名。そのことから電子材料として注目されるが、同社は化学企業であり技術の軸は" テープ" である。テープはフィルムと接着剤からなるが、それぞれはどちらも素材としての歴史が長く新しい付加価値は生まれにくい産業である。ところが、二つの素材の組合せや加工をプラスすることで、接着・遮断・拡散・浸透・選択…書き切れないほどの機能が生み出され、自動車・インフラ・医薬など様々な分野で活用される。脈々と蓄積されてきたテープへの知見だけでも魅力的なのだが、それ以上と言えるほど重要な要素は、それを活かし次のビジネスに繋げるために顧客の懐に飛び込む営業文化があることだ。この二つを兼ね備えた同社は、経済の荒波の中でもしっかりと成長スパイラルを描いていけると期待している。当ファンドはそこに長期投資の信頼を置いている。「これに糊が付いたら加工が楽なんだけど日東さんなんかな~い?」かの偏光板事業もこうした顧客の一声で始まっている。 【アナリスト 斉藤 真】