創業来100年で積み重ねた産業用ロボット製造の実績、
人とロボットが安全に協働する未来をつくる
1977年に日本初の全電気式産業用ロボットMOTOMAN(モートマン)を出荷した同社は、累計出荷台数が世界一のメカトロ二クスメーカーである。創立100周年に当たる2015年には、北九州市黒崎の本社事業所をリニューアルしロボット村をオープンさせた。そこではロボットと体感的に交わる施設を設けて地域や世界の人々にロボットの魅力を伝える活動も行っている。同社のロボットは機械的な動きのスピードを最優先するだけのものではない。人の接近で危害が生じるようなケースでは、ロボットは動きのスピードを緩めたり停止したりして人が安全にロボット周辺で仕事を続けられる状況を保つ。省スペース化も実現し、これまでの自動車産業を超えて一般産業での需要拡大にも応えられるようになった。同社は2025年ビジョンを掲げ、同社コア技術を活かした新たな価値を提供することを宣言した。風力発電、電気自動車、医療の分野でのロボットの活用が加速している。工場の中にいた産業用ロボットは、家や街で人に寄り添うロボットにいずれ変わるかもしれない。メーカーとして単純に得意なモノをつくるのではなく、視野を広げて人々が快適な社会をつくるという意志に共感させられてしまう。
【アナリスト 根本 幸治】