眼、膝、腰の機能改善はお任せを、と高齢化社会で頼りになる存在。
他と一線を画し、「糖質科学」を究めることで医療に貢献しています。
1947年の設立来、糖質科学に焦点を絞り、研究開発型ビジネスモデルで独創的な医薬品を創出してきた。世界初のヒアルロン酸関節機能改善剤 「アルツ」を開発し、高齢者が日々悩まされる膝の痛みに新たな治療法を提供した。競合他社の類似薬剤や後発品が出ても、副作用発現率の低さなどに見る薬剤の安全性や品質の高さから医師に選ばれる存在になっている。現在、日本で承認申請中の新薬に「腰椎椎間板ヘルニア治療剤」がある。これには髄核(椎間板の一部) の主成分であるコンドロイチン硫酸等を特異的に分解して神経の圧迫を減らし、痛みを軽減する作用がある。タンパク質を分解しないため、血管や神経等への害はない。1回の注射で摘出手術の代替療法となることが期待され、患者には身体面や金銭面の負担軽減になるだろう。他にも糖質科学にはがんやHIVなど感染症への対処治療を生み出す可能性がある。実は細胞表面には複合糖質という糖鎖がたくさん出ていて、それらが細胞の顔になり細胞間の情報伝達をしている。同社の研究で罹患した際の糖鎖の形や機能を解明し、また新たな治療法の扉を開けてくれることを期待している。
【アナリスト 大澤 眞智子】