スイス人が教えてくれた「がらくた」ではなく「ヴィンテージ」になれる生き方

　　会社設立20周年の記念号に適応しい一冊として、いろいろ考えて本書にたどり着いた。長年の愛読書の中から選ばれたのが、おもしろいことに出版されたばかりの本書ときた。

　いまの日本そして日本人をみるに、このままだとユデガエルになってしまうよと言いたくなるようなことが多々ある。国民のほとんどは、日本の現状そして将来に対し不安を抱きながらも、国がなんとかしてくれるだろうといった甘い期待で何もしない。

　そういった現状の甘えに対し、本書は鋭い指摘をしている。といっても、警告書とかの偉ぶったものではない。 著者の9年間のスイス生活で実感した「なるほど、たしかにそうだよね」は、われわれにもビンビンと響いてくる。できるだけ多くの人々に読んでもらい、自分はどうするか我が身で考えてみたい。

　400年前まではヨーロッパでも最貧国であった山国スイスだが、時間をかけながらも世界で最も豊かな国を築き上げた。そういったスイス人の自主独立の精神には学ぶべきところが多い。

　さわかみファンドは16年10カ月前から長期投資で経済的自立を、そして堂々たる人生を歩んでいこうよと提唱してきている。まさに、同じ考え方からのもの。

　経済も社会も自助の精神と努力あってこそである。20周年を機に、グループ社員もいま一度、創業の精神に立ち戻ってみよう。そして、世の中に向って力強く訴えるのだ。長期投資でより良い社会をつくっていこうよと。