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「韓非子」
守屋 淳著
日本経済新聞出版社

 いずれ書こうと思っていたのが、「韓非子」でありマキャベリの「君主論」である。
 中国とイタリアとで国も時代も違うが、どちらも権謀術数が渦巻くドロドロの世界で、君主つまり指導者はなにをどう考え、どう行動したらよいのかを説いている。人間模様というか人間観察という面でも、実に興味深い。
 マーケットにも権謀術数に近いといえる、「お金、お金」のドロドロしたものがある。どんな手をつかい、どう行動しようと勝てば官軍の世界である。
 そういったドロドロした世界における人間の心理とか生き様に対し、一歩離れた立ち位置を保つのが長期投資家である。
 マーケットの動向からは距離を置いているとはいうものの、そこはやはり人間である。長期投資家の多くもマーケットの暴落や経済情勢の激変に直面するや、とかく心を乱しがち。
 

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 どうしたら良いのか?ひとつは、「さわかみファンド」など本格派の長期保有型投信を全面的に信頼して、ゆったりと乗っかかってしまうこと。5年10年と続く大波乱でも、長期投資でならいくらでも乗り切っていける。
 もうひとつは、韓非子や君主論を勉強してみることだ。そういった世界もあるんだなといったぐらいの感覚で十分。ちょっとでも、学んでおくとずいぶんと気持ちが楽になる。
 とりわけ本書は、組織サバイバルの教科書と副題をつけ、会社を舞台にして韓非子を語っている場面が多い。サラリーマン生活においても参考になる。
 
 
 

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