省エネ性に優れたエアコンのグローバルトップメーカー
次に狙うビジネスチャンスは「快適さ・健康と空調の融合」
人々が健康で文化的な生活を送るために、なくてはならないものは何でしょうか。シンガポール建国の父、故リー・クアンユー氏曰く、「東南アジア諸国にとり、20世紀最大の発明はエアコンだった」と述べたそうです。
日本では90%以上に達しているエアコンの普及率は、アジアや中南米などの新興国において未だに10%前後に過ぎず、多くの人々は自分たちが手の届くエアコンを欲しています。
ダイキン工業は、この課題を解決する能力が世界で最も優れていると私が考える、エアコンのトップメーカーです。同社の伝家の宝刀は、省エネ性能を劇的に高める、インバータと呼ばれるモータの制御装置。快適な空間を求める世界中の人々に、同社は省エネ性に優れたエアコンを提供しています。
さらに同社は空調メーカーから「健康で快適な空間の提供者」への進化に邁進しています。同社の研究所ではユーザーが最も快適に感じられるよう、表情・呼吸・体温といった状態を感知し、空間を調整するシステムの研究が進められています。世界の空調需要を掘り起こし、同時に空調と健康・医療の隙間に存在するビジネスチャンスの開拓を進める同社から目が離せません。
【アナリスト 加地 健太郎】