「小さい」「速い」「ユニーク」なコネクタを提供する高収益な企業
花形とは言えない部品だからこそ、適正な利潤にこだわる
コネクタは電子機器に欠かせない接続部品であり、融着を必要とせずに電子回路に接続することで、容易に脱着することを可能にしています。つまり、コネクタは顧客の設計の自由度や生産性を高めるうえで非常に重要な部品なのです。
同社は終戦後にコネクタの製造を開始し、1990年代の移動体通信の拡大期にノキアやモトローラといった当時の通信大手に選ばれ、「小さい」「速い」「ユニーク」なコネクタを提供してきました。
世界には2,000社以上のコネクタメーカーがいると言われる中で、同社はトップクラスの高い利益率を誇ります。その要因は付加価値の高い製品の提供だけではありません。花形とは言いにくい部品だからこそ、適正な利潤の獲得にこだわり、受注段階での精緻な見積もりや少数精鋭体制による早い意思決定、精密金型や自動組立機・治工具といった生産設備の内製化を徹底しています。
自動車の電装化やIoT、ロボットといった今後の市場拡大が期待される分野において、コネクタは重要な役割を果たします。同社としても中長期成長戦略の中で同分野へ注力していくことを打ち出しており、今後のさらなる活躍に期待しています。
【アナリスト 坂本 琢磨】