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「生きていくあなたへ105歳どうしても遺したかった言葉」 日野原 重明 著 幻冬舎

「生きていくあなたへ105歳どうしても遺したかった言葉」
日野原 重明 著
幻冬舎

去る7月18日、105歳で天に召された日野原先生が、昨年の3月から5月にかけて語られた最後の言葉が本書に収められている。敬虔なキリスト信者であり、生涯現役の医師でもあった先生が、後世に贈ってくれた殊玉の言葉の数々だ。本書を読む人の心に深く染み込んでくる。
読み返しているうちに気付いた。先生は実践の人だった。実際の行動を通して発せられた言葉だから、ひとつひとつが重い。ずっしりと響いてくる。

実際、先生は映画「ザ・テノール」にいたく感動されて、残りの人生は「愛と平和」を世界に訴えていくのだと仰るようになった。そして、映画「ザ・テノール」の実話での主人公2人と一緒に、10回を超す全国公演を精力的にこなされた。1泊2日の強硬スケジュールで韓国にも飛ばれた。100歳を超えたお体でだ。

「ザ・テノール」は当初、日韓共同制作という趣旨のドキュメンタリーフィルムにする予定だった。しかし、どうせなら芸術性の高い映画にしようとなって、さわかみグループが全面的に支援して仕上げた。それがご縁で、日野原先生とは親しくさせていただいたが、その行動力にはいつも敬服するばかりだった。

愛と勇気をもって、世のため人のため我が身を惜しむことなく行動する。そういった気高い精神で日々を送られた先生のお姿には、長期投資につながるものがある。

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