マニー株式会社
代表執行役社長
髙井 壽秀 様 (左)
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弊社取締役最高投資責任者
草刈 貴弘 (右)
「これしかやらない」
トレードオフはどのようにしてできたのか
草刈(以下草) 高齢化していく世界において、医療を受ける方が増えています。その中で、マニーという会社が今までの成長とは違う非線形的な成長を遂げていくために、様々なことをされていると思います。そのあたりのお話をおうかがいしたいと思いますが、まずは、世界一の品質というものにこだわられている理由を教えてください。
髙井(以下髙) 私どもの世界一というのは、たとえば5つの要求特性があったとして、競合他社の製品をすべて集めて、それを数値化して比較し我々が一番でしょうと言えるものを指しています。世界一だというデータさえ見せれば売れる製品を選んできました。この背景には、栃木のローカル中小企業でリソースがなかったということがあります。リソースがない中で勝ち続けるにはどうしたらいいのか、ということをマニーはずっと考え、そこに行きつきました。同時に、世界一でなければ意味がない、という考えにも行きつきました。
草 御社はどこで勝てるかというところを選ばれてきたわけですね。そこから逸脱しなかったというのはやはりトレードオフ、つまり『やらないこと』を明文化されているからですか。
髙 トレードオフの文章にはかっこいいことが書いてありますが、その裏側には失敗がいっぱいありました。その失敗を絶対に二度と犯してはならないということで、成文にして、これはやらない、これしかやらないと決めたのです。このトレードオフについては「○○になるぞ、○○をやるぞというのはよく聞くけど、○○はやらないというのは結構迫力がありますね」と言われます。ただこれは、会社の浮沈がかかっていたところで出てきたものなのです。
草 そういった経緯で生まれてきたのですね。このトレードオフでは「医療機器以外はやらない」「ニッチな市場以外には参入しない」「製品寿命の短い製品は扱わない」と決められていますね。
髙 まず、「医療機器しかやらない」というのは、私たちには医療機器を作るノウハウがあり、これと微細なものの加工技術や素材(線材)をかけあわせると、この両方をできる人はまずいない。ということは負ける可能性が飛躍的に小さくなるのです。
「ニッチな市場しかやらない」というのは、小さな市場だと参加者が限られているので、我々が世界一になれる可能性が格段に大きくなる、我々でも世界一が狙えるというところから出たものです。
「製品寿命の長いものしかやらない」ということについては、柔道に例えると、我々には大技はかけられないかもしれないが、寝技ならできるかもしれない。ですから、製品寿命の短いものはやっちゃいけない。寝技でしめこんでいくような、長い時間をかけてじわじわ品質を良くしながらも原価を下げるということはできるかもしれませんが、大技をかけてボーンと投げることはできない。だから、製品寿命の長いものしかやらないと決めました。やはりリソースが限られていて、戦い方を選ばないと我々は勝ち続けられないということが根底にあります。
「ニッチな市場しかやらない」というのは、小さな市場だと参加者が限られているので、我々が世界一になれる可能性が格段に大きくなる、我々でも世界一が狙えるというところから出たものです。
「製品寿命の長いものしかやらない」ということについては、柔道に例えると、我々には大技はかけられないかもしれないが、寝技ならできるかもしれない。ですから、製品寿命の短いものはやっちゃいけない。寝技でしめこんでいくような、長い時間をかけてじわじわ品質を良くしながらも原価を下げるということはできるかもしれませんが、大技をかけてボーンと投げることはできない。だから、製品寿命の長いものしかやらないと決めました。やはりリソースが限られていて、戦い方を選ばないと我々は勝ち続けられないということが根底にあります。