「切る、刈る、締める、削る、磨く、打つ、掃く」
手仕事を支える工具の国際的総合サプライヤー
世界160か国で使用される同社の電動工具は、住宅・ビル・橋梁等の建設現場で職人の手仕事を生産性と安全面から日夜支えています。単一の充電式バッテリで動く120種ものドリル・カッタ等は、エンジン製品に比べ騒音・振動が小さく、コードレスのため躓きや漏電を防ぎます。また、国内115ヶ所・海外50か国以上に及ぶサービス拠点は地域需要に密着し、タイムリーな道具の修理・補充が職人に支持されています。
顧客との強固な繋がりを重んじる戦略には、伊勢湾台風(1959年)で生じた復興需要に支えられて成長した同社がモットーとする「常にサプライチェーンの中で支える側に立つ。」姿勢も垣間見えます。昨今は園芸用機器に進出し、認知度の低さや気象によって芝の生え具合が変わり売行きが左右されてしまうことに苦戦しています。しかし、電動工具同様に全用途の商品を一つのバッテリで賄うラインナップをDIYからプロのユーザーにまで届け、10年で市場制覇を目指します。拡大基調の建設・園芸市場で、生産の自動化・調達の現地化を進める同社は、モノ・人の不足によるコスト上昇に備えるだけでなく、現場の顧客と共存共栄する世界一の工具サプライヤーになることが期待されます。
【アナリスト 佐藤 紘史】