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コマツ(株式会社小松製作所)
大阪工場(大阪府枚方市)

油圧ショベルやブルドーザーなど、世界中の建設現場や土木工事現場で活躍する機械を製造しているコマツ。
今回は中大型建設機械や基幹部品を製造している大阪工場を見学してきました。

 

 


 

11:40 JR京都駅集合、出発
13:30 工場概要プレゼンテーション

工場到着後、コマツの企業全体に関するご説明をいただきました。
このあと、2組に分かれて工場見学を行いました。

展示場に並ぶ油圧ショベル。

14:05 建機第1工場見学

マイクロバスに乗って、ブルドーザーの組み立てや検査の工程を見学しました。

14:25 建機第2工場見学

バスを降りて2階に上がり、油圧ショベルの組立工程を上から見学しました。

 

14:45 グローバル販生オペレーションセンタ見学
15:30 質疑応答
16:00 終了

 

 


 

HB365/ハイブリッド油圧ショベル

HB365/ハイブリッド油圧ショベル

「ダントツ」に込めた誇り実績と信頼の歴史

寒さが日増しに募る12月18日、私達は35名のファンド仲間の皆さまと共に、建設機械や鉱山機械のグローバルメーカーとして知られるコマツ(株式会社小松製作所)の大阪工場を訪問しました。大阪工場は大阪府枚方市に在り、ここで生産する油圧ショベルやブルドーザーは国内だけでなく、世界中のコマツユーザーに向けて輸出されます。当日は天候にも恵まれ、私達は工場内の製造現場やオペレーションセンタを見学し、工場長の古越様はじめコマツ社員の皆さまから話を伺いました。
初めに、コマツ大阪工場についてご説明します。コマツ大阪工場は1952年から操業を開始し、油圧ショベルやブルドーザーの生産拠点としてコマツの成長を支え続けてきました。工場人員は約2,700名であり、北大阪地区では最大規模の工場となっています。ここでは、16~30トンクラスの中型油圧ショベル、30~200トンクラスの大型油圧ショベルや15トン以上の大型ブルドーザーの完成品を組み立てています。その他には、世界中のコマツ工場に向けて走行減速機や旋回減速機、スイングサークル(油圧ショベル本体と履帯部分をつなぐ部品)、発電用モータなど、付加価値の高い基幹部品(コンポーネント)も生産しています。
さらに大阪工場は、これらの商品や基幹部品を新しく開発する商品開発拠点としての役割と、商品・部品を高品質、高効率、安全に作るためのプロセスを研究する新生産技術開発拠点としての役割も担っています。大阪工場で構築した生産プロセスは、海外の17のコマツ工場に横展開されています。
そして敷地内には、各地のコマツ工場の生産状況、コマツ商品の販売動向、世界中の工事現場で使われているマシンの稼働状況を一元的にモニタリングし、数か月先の販売量予測や生産計画に活用する「グローバル販生オペレーションセンタ」が存在します。これについては、後程詳しくご説明します。
次に、工場見学の模様についてお伝えします。私達は工場到着後、コマツの企業全体に関するご説明と、大阪工場のご説明をお聞きした後に2班に分かれて工場を見学しました。私のグループは最初に、大型建設機械の組立・検査を行っている建機第1工場を見学しました。この工程では、生産ラインをバスが通過できるように設計されており、私達はバスの中からブルドーザーが組み立てられる光景や、ブームのない油圧ショベルが検査されている工程を見学しました。組み立てられているブルドーザーは私達が乗り込んでいるバスよりも大きく、参加者の皆さまはその迫力に驚かれていました。

D80/ブルドーザー

D80/ブルドーザー

その後私達はバスから降り、油圧ショベルが組み立てられている建機第2工場を訪れました。油圧ショベルは大まかに、操作室やエンジンが乗る上部プラットフォームと、足回りの下部プラットフォームから構成されています。工場ラインの始まりには、黄色く塗られた上部プラットフォームと、黒く塗られた下部プラットフォームがそれぞれラックに在庫されています。第2工場は2つのラインに分かれており、上部、下部それぞれのプラットフォーム用のラインが平行に走っています。上部プラットフォーム用ラインでは操縦室とエンジンルームなどの部品が組み付けられ、下部プラットフォーム用ラインでは車輪や履帯、油圧ショベルの腰に当たるスイングサークルが組み付けられていきます。そして上部、下部それぞれのモジュールが完成すると、2つのモジュールをドッキングさせます。この工程での巨大な油圧ショベルが組み立てられる迫力と、2つのプロセスが調和を取りながら動く精緻さに、参加者の皆さまが感動していました。

次に訪れたのは、「グローバル販生オペレーションセンタ」です。一般的なメーカーでは、生産、販売、在庫の3つの要素を重視しますが、コマツの考えでは「売れるもの(販売)を適正な数だけ作る(生産)ことにより在庫を最小化する」という考えに立ち、「販生」という言葉を用いています。オペレーションセンタでは、工事現場でのマシンの稼働状況、代理店の販売状況、工場での生産状況が一元的に把握できます。その結果、数か月先の需要をある程度予測することができ、その予測に基づいてムダのない商品の生産計画を立てることができています。
最後に、「ダントツ」という言葉にコマツが込めた誇りについて、お伝えいたします。コマツは機械の稼働状況をモニタリングするコムトラックス、運転の一部を自動制御するICT建機、建設現場の生産プロセスをつなぐオープンなIoTプラットフォームであるLANDLOG、それらを使って現場の生産性を飛躍的に向上させるスマートコンストラクションなど、先進的な商品やサービスを打ち出して、現場で働く作業者のオペレーションを支援しています。このような商品やサービスに込めた価値を、コマツは「ダントツ」という言葉で表現しています。これは「お客様が進化していくためにコマツが何を手伝えるのか」という視点で、コマツがいろいろなニーズを調査しながら開発してきたものです。そして、「ダントツ商品」、「ダントツサービス」、「ダントツソリューション」によってコマツのお客様にとってのメリットを創造し、共に長期的に成長する方針を掲げてきました。
しかしこれは、順風満帆な状況で生み出された概念ではありません。2002年3月期、コマツは創業以来初の営業赤字に陥りました。その時には、1100人の希望退職者を募集するなど、大規模なリストラを余儀なくされています。その危機をバネに、コマツはライバルに引けをとらない事業基盤を築くため、「環境」「安全」「ICT」などで差別化され、付加価値の高い「ダントツ商品」を生み出しました。またグローバル販生オペレーションセンタも、リーマンショックの際に生産ラインがストップしてしまった危機を糧として構築された仕組みです。建設機械や鉱山機械は、市況変動の影響を強く受ける産業ですが、危機に見舞われる度にそれを乗り越えて、その後に訪れるチャンスを掴んでコマツは飛躍してきたといえるでしょう。

本ツアーは大阪工場長の古越様をはじめ、多くのコマツ社員の皆さまのご協力によって執り行うことができました。本ツアーを通して参加者の皆さまには、コマツ社員の皆さまが「ダントツ」の誇りを抱いて仕事をされている姿を見ていただけたと思います。
【アナリスト 加地 健太郎】

 


参加されたお客様の声

●実現できれば良いことだといろいろな企業も理解しながら、なかなか形にできないことを表面的ではなく、実現されているので、すごいと思いました。これからも日本のTOP企業として活躍してください。

●短い時間でしたが、コマツのモノづくりを貫いている人、モノ、精神を感じることができました。ダントツの製品を作り続けて、日本を代表する世界企業として輝き続けて下さい。

●小松製作所は高い物作り技術と先進的なシステムを持った会社と思います。また、人を大切にした優しい一面もうかがえます。コマツウェイからは高い志が感じられました。今後の躍進を期待しています。

●土木関係→泥臭いイメージでしたが、最新の技術を用いて生産、販売展開されていることを知り、応援したくなりました。ありがとうございました。

●日本から世界へ活動の場を大きく広げていらっしゃいますが、今後もますます世界中の人々のために成長し続けていってください。

●本日はお忙しい中、時間を取って頂き、ありがとうございました。間近で大きな建機を製造しているところが見れて良かったです。これが日本の技術力なのだと思いました。もうすぐ100年、そしてその先も楽しみにしています。

●作業着を汚しながら働いている姿を見ることができてよかったです。生身の人間が働いていることをもっと社会にアピールすべきだと感じました。無人で作業が進むトラックが動くことはすばらしい。しかし人間がかかわっていることが大切だと思います。


ツアー事務局後記/直販部 小宮山

本ツアーの工場見学を経て、私が強く感じたことは、コマツのダントツ主義は決して単なるスローガンではないということです。使う順番に部品を配置する、ヘルメットの色で役割を分けるなどの地道な改善や創意工夫がそれを物語っています。工夫を凝らす現場力と、現場の方たちの意欲を最大限に活かす組織力のタッグが、工場を「より高い品質、生産スピード、より低いコスト」へと推し進めています。これこそが「今のダントツ」を超えた「ダントツ」に将来に渡り、コマツを押し上げ続けていくのです。
新聞などではコマツといえば、ICT建機や KOMTRAXなどハイテクさをイメージする言葉を目にします。本ツアーで私たちは、現場ならではの地道さの中に、コマツのダントツの源泉やさわかみファンドが投資すべき価値を見出すことができました。私たちと一緒にさわかみファンドを運用してくださるファンド仲間の皆さまに、長期投資家が見るべきものをまさにお見せできたツアーになったのではないかと思います。そしてコマツのダントツに触れ、私と同様にコマツを好きになった方がいらっしゃるのではないかと思っています。

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