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国家の品格
藤原 正彦 著
新潮社

ずっと長期投資をやっていると、どんどん青臭い生き方に傾いていく。ひと昔前の書生っぽだ。逆に、世の投資家に多い理論づけの頭でっかちから、儲け儲けであとは知らないよの人達まで、全部まとめて「どうぞ好きにやってください」でおさらばする。
もちろん、マーケットでは多種多様な人々に出会う。彼ら彼女らの市場参加目的も利害計算の尺度も、それこそ千差万別である。いろいろな人生観や生き様があっていい。
そんな中、われわれ長期投資家は妙な自信でもって我が道を行っている。妙な自信と書いたが、「投資なんて、儲けようとしない。だが、儲かってしまう」といった自信も入ってくる。それ以上に、「こういった生き方を進めていけば、より多くの人たちと幸せになれる」といった確信みたいなものも生まれてくる。
だから、どんどん青臭くなっていく自分に爽快感さえ覚える。決して粋がることなく、平気な顔して書生っぽのような生き方を楽しめるのだ。
そうなってくると、社会正義だとか人間としての良心や倫理観とかが自然と湧き上がってくる。それが、さわかみグループが追求して止まない「より良い世の中をつくっていこう」である。
本書も、ごく自然と手に取った。国家の品格という書名からしてビビッとくる。読んでいて、「そうだよな」と納得することしきり。納得したら、すぐさま行動である。なにしろ国家の品格も、しょせん国民ひとりひとりの生き様なんだから。

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