2018年10月7日(日)函館勉強会の日、会場近くのホテルにて台風の影響で窓を強くたたく雨音で目が覚める。ホテルを出るころには雨は止んでいたが、強風の中を勉強会の会場に向かう。
JR北海道が止まっている状況でも徐々にお客さまが来られる。そんな参加者の中、早朝の強い風雨にもかかわらず長万部から車で2時間半かけて来られたご夫妻がおられた。
自分の頭の中をリフレッシュしにきたとおっしゃる、いかにも職人然とし、とっつき難い雰囲気のご主人。今回紹介する東様だ。
長期投資との出会い
マネー経済には多少の興味があったが、それまでは一歩踏み込めなかった。信用できない何かがあったのかもしれない。そのような中、弊社創業者のセミナー動画がきっかけとなる。
「人柄といいなんとなく土臭いんだよね。それで気持ちが動いたんだ。エリート感覚じゃないんだよ。政治家でいえば田中角栄氏かな。庶民感覚なんだよね。そして話の内容が実にシンプルでわかりやすい。自分の人生哲学と相通ずるものがあり共感したんだよね」
一般生活者の財産づくりのためにさわかみファンドを立ち上げた創業者の想いと、常日頃、生活者目線で精進している社員の気持ちをわかっていただけているようでなんだか嬉しい気持ちになる。
また、金融商品を売らんがために小難しい説明をしている金融業界に疑問を抱いている身として、シンプルでわかりやすいものを素直に受け入れていただけることに喜びを感じる。
東様にとってのさわかみファンド
これが一風変わっていておもしろい。
「さわかみファンドを始めることにより、今まで気にしていなかった情報を考えるようになる自分がおもしろいんだよね。例えば、株価が動くのを見てどうしてこうなっているのか、世の中がどうなっているのかと考えていくことにより自分の視野が広がっていき、自分の可能性みたいなものが自分の中から出てくるのがおもしろいんだ。そもそも収入源はたくさんあるほうが良いと思っており、さわかみファンドもその1つなんだ。ただし、数字が増えることではなく収入源として任せられるものを見つけること、そして自分がやれていることに何か生きがいを感じるんだよな」
人生をおもしろがって生きている方なのだなと思う一方、自分の力でなんとかやっていくという自信をお持ちの方なんだと思った。
その自信は東様のこれまでの生き方から培ったものだ。
17歳のときにお父様が42歳でご逝去
「あの時は路頭に迷った。おやじの弟子が独立したのでついていき、その後シャッター工事の会社に呼んでもらい、トタン張りの技術を磨いていったんだ。そして25歳のときに、念願だった『東板金』の看板をまた掲げたんだ」
北海道では屋根は瓦ではなくトタン屋根が主流。現在は長万部の7割は東板金が扱っているとおっしゃる。
トタン張りの技術を磨き丁寧に仕事をしていくことにより、お客さまからの信用が口コミで徐々に広がっていく一方、建築屋(元請)さんからの下請け契約は解除していった。下請けは、量は多いが利益率が低いからだ。しかし下請け契約を解除していく下請け業者はいない、元請さんを離れたら食っていけなくなるという考え方が一般的だからだ。
ここが東様と大きく異なるところ。
「建築関係というのは見栄えはいいが、そもそも利益率が悪いので、倒産とか自己破産でなくなっていく会社が多いんだ。だから、利益率のよい個人のお客さまを自分自身で開拓していった。また、収入源はたくさんあるほうが良いと思っているのでリサイクルショップも始めたんだ」
若いときから苦労しながらも自ら考え、挑戦してきた東様だからこそ、行動することの大切さを知り、何が本質なのかという目を持っていらっしゃるのだと思う。そんな東様に認められたさわかみファンドを誇りに思える取材でもあった。
10月7日の函館勉強会後に地元の方を集めるから講師に来てほしいと東様から連絡をいただき、上記インタビューの前日12月7日(金)に長万部に伺った。この日は突然の大雪の影響で札幌行きのフライトが大幅に遅れ、18時半開始の勉強会の予定が21時開始となってしまった。
誰も待っていないのではと不安な思いで会場に向かったが、なんと会場ではほとんどの方に待っていただいていた。
皆さまの顔を見た瞬間、10時間かかった移動の疲れもふっとび、いつも以上に話に力が入り、真剣に質疑応答していたら終了はなんと23時。外は雪の中、会場では熱い勉強会となった。
数人の方が到着を待てずに帰られたのだが、勉強会の終了後に、「こういう機会を活かすかどうかはその人次第なんだよな」という東様の言葉に、少し厳しい言葉だなと思ったが、翌日のお客さまインタビューをし終わった後は、東様らしい言葉だなと思った。
長期投資が、いろいろな方に影響を与える可能性があることを教えていただくとともに、長期投資をお伝えする意義を痛感し、「長期投資で世の中をおもしろくしていきたい、そのために何ができるかをしっかり考え行動していきたい」と強く考えさせられた週末であった。
これからも地道にコツコツと泥臭く頑張ります!
【直販部 大野】
東 昌史様(写真左)
東日本大震災のときに「行かねばならぬ」と思い立ち、ご夫婦でキャンピングカーに機材一式を積んでホタテコロッケ300個を被災地に届けに行ったという行動派のご夫婦。