緊急事態宣言以降、弊社では社員数7割減で運営を続けています(執筆4月20日)。心苦しかったですが、ホームページにて「お急ぎでないお問合せ等は通常の運営体制に戻ってからお願いします」と告知して以来、お電話件数も落ち着いており支障なく運営できている状況です。ご縁の窓口として100%の力を発揮できていない現状に歯がゆさはありますが、まずは皆さまのご協力に感謝申し上げます。さて、このような環境下で私も在宅勤務を経験し、そこから見えたものがありました。皆さまに、ファンドの運営現場を少し共有できればと思います。
私が預かっている直販部は、投資相談から始まり受注・資金管理・口座(住所等の登録情報)管理など幅広く担っているのですが、業務のほぼすべてに個人情報が係ります。そのため、業務を遂行するには移動・勤務時の見えない感染リスクとの戦いが伴い、一方で在宅勤務となればお客さまの情報に触れられないため基幹業務には手を出せません。会社に行けばどうにかなる、こんなことさえ儘ならない環境になり、正直なところまさかこんな日が来るとは…という心境です。おそらく今回のことをきっかけとして働き方が変化していくとともに、災害大国日本において多くの金融機関が伝統的な顧客情報の管理体制から脱却する日が目に浮かんだことと思います。
また別の側面で、素晴らしい気づきが二つありました。一つ目は、手前味噌ですが部員の基礎(業務遂行)能力が成長していたことです。昨年から部署改革で各人の業務可能範囲を広げてきました。今回のようなことが起きた場合の備えもありましたが、それ以上に部員の視野・思考をストレッチさせるための施策として取り組んできた結果、部として約3割生産性が向上していることがわかりました。根本的な業務効率にまだ手を出せていない中、一年前に同じボリュームの仕事を倍の人数で取り組んでいたことを踏まえると、一年でここまで変化できたことは部員の成長なければ成し得ませんでした。二つ目は、各部員の本音や会社方針の浸透度に触れられたことです。今回、在宅勤務者へ課題を設け50以上の提出物と向き合いました。これによって、信託報酬を下げる提案、メディア露出を増やす提案、アンバサダー養成提案など全社視点での提案(本音)と深堀したときの腹落ち度合いを知ることができました。これまで部分的な業務改善やサービス品質向上など細かな部分について取り組むことが多かった当部ですが、部員が全社目線で取り組むべきと考えているものがこれほどあったものとは露知らず、提案の出やすい組織づくりに改めて取り組みたいと思いました。これには賛否両論あると思いますが、私は強い組織にしていく上で会社の意思決定を自分事のように捉えられることが肝要だと考えています。この点において自身にできることがまだまだあると気づかされました。災い転じて福となるよう取り組む所存です。
そんな中で始めたWebセミナーはすぐに満席となりました。これでようやく遠隔地のお客さまとも、見える(触れられる)ようになります。これも弊社にとってはちょっぴり一歩前進。社内は人も少なく寂しい気持ちもありますが、それぞれの場所でそれぞれ戦い、会社一丸となってこの苦境を乗り越えたいと思います。皆さま、引き続き“Stay Home”“Stay Safe”で今できることを頑張りましょう!!
【直販部 中津 圭博】