快適で衛生的な生活空間を創造する良品経営
節水・除菌・ユニバーサルデザインを16か国のショールームで訴求
1914年に国産初の腰掛式水洗便器を製造、70年代に公団住宅の標準部品として採用され洋式トイレの普及に貢献した。高度経済成長期の水不足の課題に対し、節水型衛生用器具の開発に着手し4回の技術革新で防汚技術とトルネード水流により8ℓ洗浄から3.8ℓ洗浄を実現した。この良品主義による節水トイレは節水規制の強まる米国でも工務店に高く評価された。また、中国では空港・ホテルから参入し、約50社の代理店により個人住宅向けに展開し、最高級ブランドの地位を確立した。ウォシュレットはグローバルプラットフォーム設計で部品統合、機能部の共通設計を軸にコストダウンを進め、国内外の5工場体制で「made by TOTO」の品質基準を実現した。日本では新築着工に依存しないリモデルにビジネスモデルを転換し、全国100ヵ所のショールームで商談を行い、18年にはサポートデスクも設立し安心できるリフォームを目指している。海外でもショールームを展開し、製品の良さを理解してもらう動態展示で、建築・水回り工事業者、最終消費者に支持層を育成し、数世代に渡る顧客を維持拡大している。開発から20余年を経た独自の光触媒技術ハイドロテクトは国内外で幅広い製品に利用されている。【シニアアナリスト 歌代 洋子】