前回のレポートでは、「さわかみファンドによって多くの方がお金の不安から解放され、その結果、子供たちが憧れる素敵な大人が溢れる社会になれば…そのモデルになるべく、さわかみグループは存在する」と述べました。増えた資産は使ってこそ活きるものです。せっかく使うなら、ご自身や身の回りの人たちが笑顔になること、更には社会全体が明るくなる方向に使いたいですよね。逆にそういった使い道があるからこそ、資産形成の長い道のりもワクワクするものです。
さわかみグループは、お金を「つくる・つかう」の両方の役割を担う企業の集合体であり、グループ単体で見れば個人の皆さんと同じ状況です。
今回はそんなグループのお金の流れを見ていきます。
事業会社と財団で構成される“さわかみグループ”
さわかみグループは、さわかみ投信のような事業会社と、一般財団法人さわかみ財団(以下、さわかみ財団)のようなお金を使う側に大きく分けられます。事業会社はすべて、さわかみホールディングス(以下、HD)という持ち株会社の子会社(または孫会社)であり、毎年の利益から配当金としてHDに金銭を還元します。配当を受け取ったHDは、関連組織の財団などに対し寄付等を行い、そして財団が各々の理念の下でお金を社会に拠出するのです。
さわかみ投信を中心に考えると、兄弟企業やその子たちがそれぞれの事業で利益を生み、親であるHDを共同で支えます。兄弟間で事業を協業することもあるのですが、原則的にお金のやり取りはありません。兄弟それぞれが独立し、自らの哲学で社会に付加価値を生もうと励んでいます。
財団関連については、さわかみ財団がさわかみ投信の祖父であり、その他の公益財団は叔父・叔母という感じでしょうか。さわかみ財団はHDの株式のほとんどを所有しており、HDの運営費を除いた部分を配当で受け取り、社会活動に充てます。公益財団はHDからの寄付が主な収入ですが、さわかみ財団含め自ら付加価値を創出しようと鋭意努力中です。
事業会社、財団のそれぞれが関連性のない活動をしているかっこうですが、グループ視点では「豊かな社会を育もう」という思想で繋がり、「社会に堂々と根を張ろう」と頑張っているのです。
さわかみホールディングスは何をしているの?
さわかみグループの筆頭であり、持ち株会社であるHDは、全体の方向性を決める役割を果たしています。また、それぞれが独自で持つ必要のない間接部門のシェアリングサービスも。ただし、HDの最大の役割は単なる管理ではなくインキュベーションにあります。「これは!」と思うアイデア、熱量に触れた時、その夢への挑戦を後押しすべく出資を行います。
インキュベーションとは孵化です。起業の際の運転資金、住所、上述の間接部門のシェアを実施することで、新しい企業が生き生きと活動できるよう支援します。結果、さわかみグループは構成企業が増え、規模も分野も大きくなっていくのです。
次回はグループ各社に迫ります。
代表取締役社長 澤上 龍