「SCPって何の企業?」という質問に「一口には言えない」となってしまうのが株式会社ソーシャルキャピタル・プロダクション(SCP)です。ある時は映像製作・配信を行い、またある時は千代田区中心に飲食店回りを行う。受付併設のカフェにはハワイ州観光局があり、傍らにシャツとネクタイが。壁を見ると旅行業者の許可証、映画のポスターが貼ってある。それら全てがSCPの事業で、だからこそ「何の企業?」となるわけです。
リーマンショックが原点
2008年、世界的な金融危機の中で私(澤上龍)は「今こそ生活に必要な企業を応援しよう」と、さわかみ投信のレポートで訴えました。しかし紙とインクで仕上げられた訴えは広く伝わることなく、ただただ、そこに記載される▲(評価損)が不安を煽るように目立つばかり。
さわかみファンドは多くのお買付けをいただけたのですが、世間一般は「早くこの暴落相場から離脱するんだ」と資金引き揚げを実行、その先の投資先企業のことなど1ミリも想うことなく自己防衛に走りました。それがおかしいとは思いませんし資産防衛はもちろん重要です。しかし私たちの生活を支える企業が、米国の不動産問題という本業と何の関係もない暴落に苦しむ姿を見るに堪えられなくなりました。
2010年に創業したのはネットTV局
文字で伝わらないなら動画をつくろう。ニュースではなく人々の頑張る姿を届けよう。知識ではなく元気や勇気を得ていただこう。そんな想いで立ち上げたのが“インベスターズTV”という、今や当たり前となったネットTV局です。自ら企画、撮影、編集、配信と精力的に活動しました。
資本関係図から見たSCPは、さわかみ投信の弟に当たります。そして代表が私ということもあり「なぜ? 何のために?」と内外から、時に否定的な意見をもらいました。その度に「新しい挑戦は理解促進よりも結果を見せるのが先」と自らを鼓舞し前進。インベスターズTV以降も、観光業、映画製作(ザ・テノール)、アパレル、最近だと地域再生や旅行業、物流業など幅広い分野を手掛けています。それが単に多業界に触手を伸ばしているように見え、冒頭の質問が止まないのでしょう。
原点から考えるSCPの存在理由
ソーシャルキャピタル・プロダクションの社名は「世にある価値を有機的に繋げ増幅することをプロデュースしたい」という、リーマンショックで味わった無縁的な社会を変えたい一心から閃きました。星の王子様ではないですが、目に見えるものでSCPを語るのは困難です。各事業の先に存在する人々の努力を紡ぎ、理念の下に繋がっているのがSCPなのですから。
おかげさまで、ギブギブとやってきた活動に仕事というリターンをいただけ、SCPは創業間もなく経済的自立を果たせました。現在も「何を始めたの?」と皆の頭上に疑問符がつくことにワクワクしながら邁進しております。
代表取締役社長 澤上 龍
【参考】
■R.surfer:https://rsurfer.com/
■株式会社ソーシャルキャピタル・プロダクション:https://sc-p.co.jp/