年月をかけて中国と良好関係を築いてきた医療用漢方薬メーカー。
漢方の起源である中国に日本品質の中薬※を届け、健康を促します。
緊急事態宣言が発せられた昨春、日本感染症学会に「COVID-19感染症に対する漢方治療の考え方」という論文が寄せられ、中国湖北省の病院で行われたコロナ肺炎患者の診療録を基に、中国の中医薬ひいては日本の漢方薬が重篤な感染症にも有効であることを示しました。それにより、コロナ症状を緩和する品目の漢方薬が大いに利用され、その結果、多くの経済活動がコロナ禍で停滞した昨年度においても同社は増収増益となりました。また、昨年度は中国事業の売上が初めて連結され、日本だけでも前年度を上回った売上をさらに押上げました。現在、中国事業は売上の約5％ですが、2027年度には日本事業並みにしようと着実に計画を進めています。生薬原料の安定確保のため40年程前から中国と交渉を始め、その後は野生生薬枯渇問題を受けて中国の生薬栽培化研究で協力協議書を20年前に締結しました。今後は同社のノウハウを中薬※市場に活かして中国国民の健康促進に貢献し、無くてはならない存在になると期待しています。
※中薬：中医学で使用する薬剤。日本の漢方薬のようなエキス製剤や刻み生薬を煎じて服用する飲片などがある。
【アナリスト 大澤 眞智子】
