1999年に日本で初めて独立系直販運用会社として「さわかみファンド」の運用を開始し、以降20年以上スタイルを変えることなく独立系直販を貫いてきました。「本格的な長期投資で一般生活者の財産づくりのお手伝いをさせていただく」という使命において、なぜ私たちは独立系直販であり続けてきたのかをお伝えいたします。
①運用哲学、方針を貫くことができる
皆さまの財産づくりをお手伝いするにあたり、一貫した運用方針であることが重要だと考えております。運用業界では、多くの運用会社が販売会社の子会社として存在しており、顧客の資産形成よりも、売りやすさや利益など販売会社の意向を優先させた商品設計がなされてしまうことが少なくありません。典型的なのが、テーマ型ファンド。顧客が飛びつくような、時々のブームに沿ったファンドを乱立させ、次々に乗り換えさせることで手数料を稼いでいます。
資産形成をするにあたり大切なのは、次々と商品を切り替えることではなく、自分が信頼できる・成長するファンドを長期で保有することだと考えております。そのためには、運用方針やポートフォリオの内容がコロコロ変わるようでは、地に足をつけた運用とは言えません。私たちは、設立以来変わらない運用哲学を20年以上貫いており、今後も変わることはないでしょう。そのためには、他社の支配を受けないことが重要な要素の一つになってきます。
②ファンド仲間との対話(意思疎通)が長期投資の生命線
運用で結果を出すカギは、お金の“出入りの質”。つまりファンドマネージャーと投資家の投資行動を一致させることが重要です。
さわかみファンドの場合は、相場の下降局面で投資を行うため、その際に投資家からの入金を必要とします。苦しくも投資家の方々が「相場が下がっているから手放そう」と、逆の行動を取った場合、運用側は換金需要(現金化)に備えなければならず、本来なら投資したい局面で株式を売却しなければなりません。これでは投資の定石である“安いときに買う”ということができないため、将来のリターンを確保することが難しくなってしまうのです。
私たちはそうしたことがないように、投資家の皆さまと対話を重ねてきました。実際に、リーマンショックの暴落の際は毎日1億円を超えるご入金をいただいたり、2020年のコロナショックの際にも多額のご入金をいただきました。このように投資家のみなさまのご理解もあり、さわかみファンドはおかげさまで運用を20年以上も継続できており、2021年には基準価額最高値更新もいたしました。とはいえ、相場の世界は常に揺れ動きますが、一喜一憂すべきものではありません。私たちは目の前の相場に踊らされることなく、これからも投資の本質の追求と顧客との対話を重視することで、財産づくりと面白い世の中づくりを目指します。
③直販は販売手数料がかからないというメリットも
証券会社や銀行といった販売会社を通じて投資信託を購入する場合(間接販売)、通常販売手数料がかかります。ネット証券などではノーロードと言われる販売手数料無料の商品が主流となってきておりますが、まだ大手証券会社や銀行では販売手数料がかかるものが一般的。金融庁の報告では、2020年度の投資信託の平均販売手数料率は主要行等で1.53%、大手証券会社で2.59%と、投資資金の約2%前後の手数料がかかります。
たった2%と思うかもしれませんが、投資の業界においてこの2%は無視できない数字なのです。例えば100万円を投資した場合、いきなり2万円の損失を抱えるということです。さらに、多くの方が3年経過すると他の商品へと乗り換えをしており、その度に2%の手数料が取られている計算となります。
これでは、資産形成はままなりません。販売会社の言われるまま次々にファンドを購入していたら、資産が減ってしまったということも。さわかみ投信では、投資元本をより多く確保していただき、資産形成のお手伝いをしたいと願っているので、販売手数料はいただいておりません。無論、手数料が高くてもリターンが高ければ関係ありませんが、ハイリターンが長期で継続できるのか、甚だ疑問が残ります。少しでも無駄なコストを抑えて投資元本を確保すること。それが財産づくりの第一歩だと考えております。