石油精製会社から再生可能燃料メーカーへと変貌した企業再生可能および循環ソリューションの世界的リーダーを目指す
1948年石油の安定供給を目的にフィンランドの国営会社として設立、95年にヘルシンキ証券取引所に上場しました。2010年代に「近い将来、温暖化が最大の危機の一つになる」と認識し、原油依存を減らす事業変革に着手。今では再生可能燃料の世界的リーダーです。廃棄すれば有害な廃食用油や残渣などを高品質で価値あるカーボンニュートラルな燃料へ転換します。同社の再生可能燃料は今ある自動車・航空機のエンジンをそのまま使用でき、石油由来燃料から100％代替が可能です。エンジンにやさしく、故障・不具合の減少に役立つという評価も得ています。また、同社は石油化学産業向けに高品質のバイオマスナフサや廃プラスチックから再生させたリサイクル原料を提供するようになり、地上にある資源の循環ソリューションを増やしています。地球温暖化対策においてエネルギー源としては電気や水素に注目が集まりますが、一足飛びには変われません。大型機械や使用する地域によっては不向きな場合があります。人が生活するうえで発生する様々な廃棄物の有効活用は将来においても必要です。同社には循環型社会の担い手として、新たなソリューションの開発者として期待しています。
【アナリスト 大澤 眞智子】
