iDeCo？ 利回り？ 今さら聞けない投資のアレコレを、投資初心者の2人が投資のプロ“さわかみ君”にぶつけます。第12回は「結婚したらお小遣い制にすべき？ 夫婦 / 家族のお金の管理」
お金の管理は夫婦で一緒にすべき？
五来 私たち夫婦は財布を分けているので、それぞれが自分の給料を管理しています。財布を一緒にするメリットってあるんですか？ もしあれば、夫婦や家族間でうまく管理できる方法を教えてほしいです。
さわかみ君 財布を分けるメリットがあれば逆に教えてください（笑）。冗談はさておき、昨今は色々な夫婦のかたちがあると思うので、例えば共働きか、子育ての有無など状況によって話が変わってくると思います。
岡 結婚した当初はお小遣い制のほうがお金が貯まると聞いたので、夫に提案してみたんですけど、「仕事のモチベーションが落ちるから、お小遣い制はイヤだ」と言われま
▲夫とのお金の管理に悩み、相談する岡
した。結婚して約10年ですが、今も財布は別です。
さわかみ君 そもそもお小遣い制って不思議ですよね。どれくらい収入があって、何にいかほどお金を使わなくてはいけないという会話が足りていないと思います。その状態で「お小遣い3万円ね」なんて言うから不信になるんじゃないかな。お二人は夫婦間でどれだけ収入があるのか知っていますか？ そこが分かっていれば、こういう悩みはなくなると思います。要は「家計をそれぞれがしっかり理解できているか、話し合っているか」でしょう。
五来 私は私自身の給料を教えられるんですけど、夫は言いたくないようです。「なんで？ 教えてよ！」って言うと逃げられます（笑）。
岡 うちはどちらも開示していません（笑）。夫は「もっと節約しなよ」「ちゃんと貯金しなよ」といったように管理されるのが嫌なんだそうです。
さわかみ君 自分の自由なお金と生活費を明確に分けるなら、むしろ教えあっていた方がラクだと思いますよ。隠れ借金を抱えているなら言い難いでしょうが、隠すから気になるのでは？ ところで例えば家族旅行の費用だったり外食代など、共通の支払いはどうするんですか？
五来 うーん、半々ですかね。だけどどちらかの親が入院したり施設に入った場合、そのお金ってどうやって出し合うのかを考えるとどうなんでしょう。それも半々なのか、自分の親の分は自分で出すってなるのか。考えれば考えるほど不安になってきました（涙）。
さわかみ君 例えば犬を飼ったとしてそのエサ代は？ 飼っている犬が近所の家の門を壊したら？ いちいち誰が払うかなんて話し合うのも辛いですよね。
五来 飼いたいって言った人が払う、なんて面倒ですね。
さわかみ君 あとは片方しかお金を払っていない場合、もう片方は自分事でなくなるので興味が薄れてきてしまうんですよね。だから財布を一緒にして2人で払っているというかたちにしたほうが話し合いもしやすいと思います。財布を分ける・分けないの議論ではなく、信頼とコミュニケーションの問題といったら怒ります？
お金に関するコミュニケーション
岡 我が家ではお金についてのコミュニケーションは足りていないです。夫婦で話し合って一緒に考えて、お互いが納得するかたちにするのが大事ということですよね。人生観と金銭的価値観の開示ですね。
▲家計の将来設計について決意を新たにする五来
さわかみ君 価値観の違いはあるにせよ、それぞれの価値観を合わせずに子どもとコミュニケーションを図ると、子どもに混乱が生じる懸念もあります。「お金は貯めるべきだ」「いやいや自分に投資してスキルや知識を磨くべきだ」と別々に接したら…想像できますよね？ 常に家族で一つの答えを導く努力、コミュニケーションはやはり重要でしょう。
岡 うちは夫婦でお金についての考えが違うので、このままだと息子が混乱してしまうかも。
さわかみ君 では今日から改善しましょう！ でも「管理される」と感じられると相手も開示してこないので、「将来設計をしよう」という切り口で提案してみては？
五来 これは必ずやりたいと思います。
家族の将来のために
さわかみ君 それこそ高度経済成長期は専業主婦世帯の割合が多く、女性が家事を担当すると同時にお金を管理して、旦那は小遣い制というかたちが一般的だと認識していますが、最初に言った通りいまは時代が違います。そのため、どちらか得意な人が管理すればよいのじゃないですか？ 長期の視点でしっかり計画を立てられる側が管理すると将来設計がうまく行くのかもしれませんね。
岡 「お小遣いが少ない」なんてぼやきを聞いたりと、お小遣い制に対して良いイメージがありませんでしたが、家族の将来のためにお小遣い制を選択すると考えると悪くないかも！
さわかみ君 自分のお金は自分で使って当たり前みたいになってしまいますが、会社と同じで、個人が勝手にお金を使ってはいけませんよね。「俺が稼ぎ頭だから好きに使ってよい」はあり得ません。それと同じで、家計も家庭も、家族で支え合わないと成り立たないと思います。全体管理の上で、好きに使える数万円のお小遣いがあると気晴らしにもなるかなぁと思います。例えば「毎月5万円は好きに使う。でも家族の目的が大きく変わった場合は、5万を4万にしよう」などですね。それはお互いにとって良いことと思います。
五来 お金の話というよりも生き方を教わったような気がします！！ 早く夫とも家族会議したいです！
さわかみ君 自身の人生が先か家族が先か。正直、私は個（自身）を優先する概念がないので参考になるかどうか。ただし、家族でしっかり話し合うことはどちらにせよ大切です。財布を分けるのかどうかはそのあと考えればいいと思います。
岡・五来 ありがとうございます。
