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今回はいつもの羅針盤に代わり、今年7月より取締役最高投資責任者 兼 運用調査部長としてさわかみ投信に戻ってきました、黒島へインタビューしてみました! この記事を通して少しでも彼の人となりが見えればと思います。


黒島光昭ってこんな人

—— まずは簡単に、自己紹介や経歴を教えてください。

黒島:2008年~2012年に弊社に勤務していました、黒島と申します。10年ぶりに戻ってきました。NPO活動、ベンチャー支援、公的研究機関の外部連携担当者と知的好奇心の旅に出ていたような感覚です。その間に規模の大小はあれど、いろんなプロジェクトに関わりました。その中で上手くいく組織とそうでない組織の違いが、何となく感じられるようになったのは収穫でした。そういった自分なりの成長を弊社での仕事に活かしていきたいです。

—— 座右の銘などがあれば教えてください。

黒島:大切にしている言葉は「ぐるーっと回しておかげさん」です。10年前からモットーにしているのですが、今となってはサーキュラーエコノミーとかSDGsとか、似たような風潮になってきたのかなと思います。私は「お互い様」とか「分かち合い」といった農耕民族的な価値観が長期投資に相応しいのではと思います。つまり、ファンド仲間の皆さま、投資先企業、弊社がお互い様の気持ちで支えあい、皆さまの長期的な資産形成はもちろんのこと、皆で社会全体の価値を最大化して分かち合うような価値観です。

—— 普段、何か心がけていること、大切にされている心構えはありますか?

黒島:「真面目に非まじめになってみる」のも大事かなと。私は、真面目な人が大好きで自分もそうありたい。ですから不まじめは大嫌いです。しかし、くそまじめな行き過ぎた完璧主義や正論をふりかざすことが、他人や自分を傷つけてしまうのも嫌いです。ちょうどその間で、現在の常識を疑う感覚の“非まじめ”も自由な発想には大切かなと。これには習慣が必要で、何かに囚われていると感じるときは、街をふらっと彷徨いながら非まじめに発想するようにしています。

 

黒島のこれまでの経歴

—— 当社に入社するまでの経歴・エピソード、当社を知ったきっかけを聞かせてください。

黒島:7月の月次レポートでも書いたのですが、私は廃水処理の研究者から大きくキャリアチェンジし、2008年弊社へ転職しました。その少し前に、何もかもが嫌になって日本を離れてある国に行こうと思っていました。研究職のオファーがあったし、自分が必要とされる国に行ったほうが世の中に貢献できるのではと思ったからです。しかし、己の打算だけで海外に逃げるような自分の発想も嫌で踏ん切りがつかず…。いろいろ迷っていたのですが、「本格的な長期投資で世の中を面白くしていこう」という弊社の経営理念にビビっと来て中途入社に応募しました。家族もあり40歳越えての転職でしたが、良い意味で逃げ場が無かったのが吉と出たようです。目の前のことに必死に取り組んでいたら、自分のやってきたことが異業種の業界でも活かしてもらえることに感激し自信も出てきました。

—— 以前さわかみ投信に在籍していた時は何をしていましたか?

黒島:以前は運用調査部に所属していて、さわかみ流の長期投資哲学である「推と論」「広く、深く、遠く」についてを日常業務で学びました。投資については全くの初心者だったので、謙虚に素直に吸収するように努めました。「推と論」とか「広く、深く、遠く」など、先輩アナリストの皆さんそれぞれに思考の個性があって勉強になりました。また創業者(当時CIO)からは、「うちは計算ずくじゃなくて、想いずくで発想するのだ」と励まされました。少しずつ自信が出てきてからは、技術や研究開発といった自分の強みを生かして、将来予測に想いを込めるように工夫しました。

その後、ある国立研究所で研究者たちを支援して外部連携を企画推進する仕事を6年半ほどやっていました。そこでは、弊社で身についた価値観が大変役に立ちました。本当にトップクラスのイノベーションは、社会課題解決に燃える研究者があるべき10年後、20年後を描き、そこからバックキャストして直近数年の計画に落とし込まれています。将来を見通す視座の高さにおいて、単純な改善の研究開発に比べてモノが違うと感じました。

 

黒島光昭の“これから”

—— 黒島さんが考える“面白い世の中”とはどんな世の中ですか?

黒島:元気で面白い大人がどんどん増える世の中です。それを見た子供たちが、早く自分も大人になって夢を実現したいと思ってくれるような世の中がいいですね。どうせやっても無駄、無理という言葉が辞書からなくなるといいですね。人生の勝負時に、お金の不安があるから挑戦できないという状態は悲しいです。そういうことのないようにファンド仲間の皆さまの長期的な資産形成のお役に立ちたいと思っています。

—— この長期投資だよりを読んでくれているファンド仲間に、何かメッセージをお願いします。

黒島:さわかみファンドの運用哲学はこれからも変わりません。大切にしている長期投資のリズムを崩しません。その前提条件は、ファンド仲間の皆さま、投資先企業、弊社の三人四脚の相互理解です。そのための皆さまとの対話はさらに工夫して面白くしていきます。皆さまと直接お話できる機会を大変楽しみにしております。

 

 

黒島 光昭

取締役最高投資責任者(CIO)
兼 運用調査部長

1994年皇太子奨学金奨学生としてハワイ大学バイオシステムエンジニアリング科修士課程修了。帰国後、筑波大学農学研究科博士課程を修了。水処理エンジニアなどを経て、2008年よりさわかみ投信へ勤務、2011年には代表取締役社長に就任(~2012年)。2013年にはベンチャー事業などにも携わり、2015年より国立研究開発法人産業技術総合研究所にて上席イノベーションコーディネータとして勤務。2022年7月さわかみ投信へ復帰。
「ぐるーっと回しておかげさん」が人生のモットー。

 

 

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