世界的な部材不足・供給制約により業界が苦戦する中
当日出荷体制を維持し、シェアを奪う そのワケとは?
同社は成長産業であるファクトリー・オートメーション業界に属しています。創業来一貫して、センサを活用した顧客の生産性向上のコンサルティングを主力事業としてきました。その事業は高収益ビジネスとして知られますが、背景には二度の倒産を経験した創業者の、高利益率への強いこだわりがあります。彼が唱えた「最小の資本と人で、最大の付加価値を」という経営哲学のもとに、バリューチェーンすべてで付加価値を最大化する仕組みが構築されています。特に商品の企画開発に経営資源を集中させ、コンサルティング営業で吸い上げた顧客の潜在ニーズをすぐに企画開発部門へ引き継ぐことで、他社が追随できない商品を生み出します。その商品は同社のみが提供できる、他にはない商品であり、経済合理性に基づいた顧客基準の提供価値ベースで価格が決定されます。このことが同社の利益率の高さにつながっているのです。
グローバルで築いているこの直販体制は、顧客の設備投資動向の早期把握にもつながっています。海外でも提供されている“当日出荷”という同社の強みは、部材不足に苦しむ競合に対してシェアの拡大を可能としています。
昨今の世界的なエネルギーコストの上昇を背景とした省エネニーズの高まりを受け、顧客のライフサイクルコストを意識した同社のソリューション提供力は、ますます期待できると考えています。
【アナリスト 西尾 沙奈】