空気中の湿度変化を利用して、場所と時間を選ばない、いつでもどこでも発電できる湿度変動電池です。電池の専門家ではないセンサー研究者の囚われないアイデアが秀逸です。
さて、テーブルに置いてある瓶詰の塩は湿度を吸ってべとっとします。これを潮解性といいます。潮解性のある塩の水溶液を小さい容器に入れる→陽イオン交換膜で仕切る→空気に触れる開放室と触れない閉鎖室→（高湿度の時）空気中の水分を開放室が吸収→開放室の水溶液の濃度が低下→浸透圧の力で陽イオンが閉鎖室から開放室へ移動→電位差が生じて回路に電流発生→低湿度の時は逆方向に電流が発生→整流回路を入れて電流の向きを同方向へ。
すでに3.5㎝角セルまで小型化に成功し、直列に接続して電圧を向上させる試作品もあるそうです。空気中の湿度の変化が繰り返される限り半永久的に発電ができることになります。発火の可能性もなく、いつでもどこでもこつこつとデータを計測するセンサーの電源。
こういうシブい技術が、AI 時代のものづくりの自動化に貢献する世の中が来ると睨んでいます。ほっこりする技術は人の心も明るくしてくれます。
【取締役最高投資責任者 兼 運用調査部長 黒島 光昭】
