さわかみグループにはサーフィンの好きな人が多いです。私も40歳までは波乗りしていました。何が面白い？波の姿が毎度変化するところです。一枚の板を隔てて、その変化に合わせて自然と調和する感覚が好きでした。
今は海には通いませんが、広く深く遠く頭で思索するのはサーフィンと似てワクワクします。中でも「熱」は奥が深いです。頭の中の「熱」は、様々なキーワードに変化します。断熱、蓄熱、放熱、熱電変換、遮熱、地中熱、冷熱などそれぞれが調査の深掘りの対象です。
細かい話ですが、スマホの中の熱を冷ますために驚くような微細加工の部品があります。極小極薄の金属箱ですが、この中に純水を密閉し気化と凝結を利用して回りの空気を冷やします。熱を拡散させる設計には神業のような工夫が詰まっています。また一方では、大気中に捨てられた熱を粘土のような素材に貯めこんで、必要な時に必要な場所で取り出すダイナミックな研究も実用化の段階に入っています。
日本では燃料のエネルギーの60%近くが未利用熱として廃棄されています。資源の少ない島国でこれは感心できません。熱にもMOTTAINAIブームが必要でしょう。その火付け役になるような技術を丁寧に調査しています。
【取締役最高投資責任者 兼 運用調査部長 黒島 光昭】
