ここ数年で最も面白い養殖技術をご紹介します。ウナギの稚魚のエサに大豆イソフラボンを混ぜると成魚がメス化するという話です。メスはオスの2 倍サイズで脂も乗り、2 倍の美味しいかば焼きが生産できるのです! ウナギが大好物の私にとっては嬉しさ一杯の話です。愛知県の試験場の研究者を中心としたグループの地道な基礎研究の成果が、堂々たる国際特許として公開され世界展開を目指しています。
これまでの不思議ですが、養殖で育てたウナギは9割以上がオス化します。高水温、高密度のストレス状態→コルチゾル(男性ホルモン)の分泌増→生殖腺の精巣の発達→オス化→痩せて脂の薄いウナギ、という訳です。
さて、皆さんは大豆イソフラボンをご存知ですか?女性ホルモンのバランスを保つ機能性食品です。分子構造がヒト女性ホルモン(エストロゲン)に似ていて植物性エストロゲンとも呼ばれます。
これをウナギにも与えてみたら?
もうお分かりでしょう。リサイクル好きの私からみると、大豆イソフラボンを含んだおからが年間60万トンも廃棄されて勿体ない。これを上手く活用できれば、三方よしの循環型ビジネスの姿が浮かびます。世界の淡水魚養殖に広がるといいですね。
【取締役最高投資責任者 兼 運用調査部長 黒島 光昭】