フュージョンエネルギーをご存知でしょうか?
“ 地上の太陽” と呼ばれる夢の次世代エネルギー技術です。1グラムの燃料から石油8トンに相当する莫大なエネルギーを生み出す技術で、燃料の重水素は海水から無尽蔵に調達できます。約70 年前から検討されてきた技術ですが、脱炭素の切り札として国内外でスタートアップや国際共同研究が急速に進んでいます。その心臓部装置に不可欠な特殊部品を日本の地域企業が8年もかけて開発しました。
2000℃を超える高温に耐えかつ2mを超える排気用パイプは世界初の快挙です。卓越した合金の技術力で2024年度の知財功労賞として経済産業大臣表彰を受けられました。私は瑞々しい発想や実体経済の生の一次情報に触れたいので未上場企業様との関係性も大切にしています。この企業の社長様と15 年近くご縁があり、論語や老子の勉強会にご一緒に参加しながら、その誠実性や合金技術に賭ける思いに多くのことを学んでいます。見学した工場現場は過酷です。灼熱のなかトロトロに溶かした金属を絶妙な配合で混ぜ、論理的に冷まし、叩き、伸ばし、磨き、検査する一連の流れは匠の技です。
こんな地域未来牽引企業が存在する日本はやはりバラ色です。
【取締役最高投資責任者 兼 運用調査部長 黒島 光昭】