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投資とは未来に対して行うものだ。決して過去を変えることはできず、また過去に投資することもできない。それにもかかわらず、投資について語られる際は過去を意識する人が極めて多い。無論、過去には実績という紛れもないファクトが存在し、検討材料に値することも確かだ。しかし過去がそのまま未来に引き延ばされることはなく、現在以降については誰にとっても全く新しいのだ。

 

客観の過去と主観の未来

物事を検討するにあたり過去は客観、未来は主観で考えるのが健全だろう。変えられない過去は様々な視点、つまり客観的に分析する必要がある。自己否定も辞さず、冷静に見なければならない。他方で未来は主観を用いる。理由は明白、未来に対しては主体的に動いた方がおもしろいからだ。

他人が描いた未来像を妄信し、一喜一憂する人生はつまらない。そこに「あなたの意思は?」と問いたい。時代の流れといった抗えない力があろうとも、それに対してどう向き合うかと判断するのは自分次第だ。いや、自分で決めないといけない。

 

すなわち投資は主観

どのような未来を過ごしたいか理想を掲げよう。そのような未来に必要なものは? 課題は? それらが投資のヒントである。理想の未来はエゴではなく、他人も賛同するようなものでないとダメだ。とはいえ、他人ばかり気にしていたら客観論に陥る。あくまでも自分にとっての理想を考え、そして周りが共感するだろうかと考える。

人口減もあり国際競争力の落ちていく今後の日本経済に悲観的…。そう言う人に聞きたい。「あなたはそのような未来を望むか?」と。否が答えであるなら「ではどうするか?」とまた問う。それが行動指針だ。

できることから行動すればいいではないか。行動しなければ何も変えられない。しかし行動すれば何かが変わる可能性もある。理想に近づけるかどうかはわからない。それをリスクと言う。そして理想の未来がリターンだとするならば、リスクは常に“ リターンの可能性” なのだ。

 

未来について語ろう

夢物語だろうが非現実的だろうが、自分の理想の未来は自分で切り開くしかない。今の世は先人たちの想いと行動によってつくられた。であれば、これからの世は現代を生きる我々が想い行動する結果となろう。悲観論ばかり並べて行動もしなければ、それが現実となってしまう。であれば、おもしろい未来へと歩みを進めた方がよいではないか。せっかくの人生なのだから。

投資も消費も未来を形成する重要な行動である。そして個が決定権を持っている。だからこそ投資にも、そして消費にも想いを乗せたい。そして未来を語ろう。人が共感し、個の行動がいつしか群となり、社会行動となれば!

未来を語る大人は次世代から見てカッコイイ姿と映るはずだ。そして次世代が次々世代へと紡いでいく。それが、意思を持った人類こそができる“ 時を超越する業” である。自分自身の未来の資産。その資産を使う相手である社会。共に育めるのが主体性を持った長期投資である。いや、資産づくりと未来の社会づくりは一体不可分なのだ。

 

【2024.7.11記】代表取締役社長 澤上 龍

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