未来の世の中に無くてはならないものとは？ それを探究する現在の業務は私の生きがいです。9月29日の新聞報道で、宇宙飛行士2名が宇宙船の不具合により8ヶ月間にわたり国際宇宙ステーションに留め置かれているとのこと。民間宇宙船が救出に向かうらしく、お二人の無事な帰還を祈るばかりです。10年後の宇宙産業では月での有人活動が始まるでしょう。そのような極限環境では、小さな部品、例えばビスやネジの不具合が致命傷になるでしょう。地上であれば必要な部品や機材は搬送できますが、それができない閉鎖系の特殊空間において必要なものは何なのか？
おそらく小型で高性能な3Dプリンタと特殊金属の微粉末でしょう。緊急事態の限られた空間と時間で特殊部品を作る人の緊張感は如何ばかりか？ それを支え得るコンパクトで高性能な3Dプリンタの進化を観察しています。想像ですが、潜水艦の中も似たような空間かもしれませんよね？ そのほか、金属粉が極限環境に耐えうる樹脂粉に置換わらないか？ ビス止めが特殊接着剤に置換わらないか？ 極限環境の考察は未来のものづくりのヒントが満載です。現在の工場見学でその兆しを感じるとき、私はその将来価値に「バラ色だ」と唸っています。
【取締役最高投資責任者 兼 運用調査部長 黒島 光昭】
