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11月の月次レポートの読者から、“経済複雑性”についてもっと知りたいとのご要望がありました。日本が過去30年間にわたり世界首位である指標が経済複雑性です。これは、ハーバード大学のデータ(The Atlas of Economic Complexity: Mapping paths toProsperity)をもとにカリフォルニア大学グローバル政策戦略大学院のウリケ・シェーデ教授(ドイツ出身)が検証を行いました。日本の実体経済へ多くのインタビューも実施した興味深い調査です。「その国の輸出品が単純か複雑か?」と「製品を作れる国が限定か否か?」の2点を算出要素にして各国の“生産的知識”をランキング。シェーデ女史の視点の面白さは、「経済複雑性が世界一の日本で、なぜ過剰な悲観論が流行るのか?」という点。これに対して、新しい国際ビジネス論である“タイト・ルーズ理論”を展開しつつ、「実は失われていない30年」に強い日系企業が合理的な経営判断をしてきたとのこと。確かに、ものづくり白書(経産省)の「日系企業が生み出した主要先端商品・部材の世界市場規模及び世界シェア」の経時変化を見ると、2020年で世界シェア60%以上の品目数が220個(米国99個、欧州50個、中国44個)です。しかもこれらは、先端技術の部素材系が約7割。知れば凄いでしょう?

 

【取締役最高投資責任者 兼 運用調査部長 黒島 光昭】

 

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