ツアーの模様とツムラの挑戦について
11月28日、雲一つない秋晴れの中、茨城県にある株式会社ツムラ(以下、ツムラ)の茨城工場と漢方記念館を訪問しました。当日は47名のファンド仲間が参加され、普段使用している医薬品である漢方に対する関心の高さがうかがえました。本稿では、ツアーの模様とツムラの強みについてお伝えします。
ツムラは国内医療用漢方製剤で80%以上のシェアを誇る業界のリーディングカンパニーです。中国から調達した生薬を厳しい品質管理のもとでチェックし、茨城工場でエキス顆粒を生産しています。同社は「ツムラ生薬GACP(※)」という生薬生産の管理に関する基準を独自に策定し、植え付けから収穫、加工までを標準化しました。これにより、高品質で安全性の高い漢方製剤を安定供給しています。当日は医薬品の工場内部への見学は叶いませんでしたが、生薬倉庫や中央制御室を見学しました。参加者からは製造工程や品質管理について多くの質問が寄せられ、ツムラの自動化技術に感心される方もいらっしゃいました。
その後、漢方記念館では、生薬の香りを体験できるコーナーで香りを堪能したり、漢方の歴史を紐解いたりしました。生薬は119種類にもおよび、特徴的な匂いや形状のものが多く、皆さま童心に帰ったように熱心に手に触れたり匂いを嗅いだりしていました。また、薬草見本園では植物としての生薬を実際に見ながら、普段利用している漢方製剤と結びつけて楽しむ姿が印象的でした。
1,000年以上続く伝統的な薬でありながら、最新科学でも完全には解明できない漢方。私はその神秘性に感銘を受けます。同社では、原料生薬栽培から医療機関へ納入されるまでの全工程を追跡・訴求・確認できるトレーサビリティ体制を整備するとともに、エビデンスの構築にも力を注ぎ、私たちが安心して利用できる環境を実現しています。このような企業努力を知ると、漢方製剤を手に取るときに自然とツムラの存在を思い浮かべたくなります。
最後に、本ツアー開催にご尽力いただいたツムラ社員の皆さま、そしてご参加いただいたファンド仲間の皆さまに心より感謝申し上げます。ツムラがこれからも良質な漢方製剤を提供し、日本の伝統医薬を世界に広めていくことを願っています。
(※)Good Agricultural and Collection Practice
【運用調査部 アナリスト 村瀬 翔】
参加者様の声
●非常に良い体験をすることができました。ありがとうございます。生薬の原物の加工途中のものを実際に見て手に取ることができたので、漢方により興味が出てきました。
●今後も変わらぬ企業努力に期待します!ドラッグストアなどで「ツムラ」製品を探してみようと思いました。大変充実したツアーでした!
●投資先企業を直接見ることができ、意義は大きい。運用報告会と両輪で楽しんでいます。
●初めての企業訪問ツアーでしたが知らないことだらけでとても感銘を受けました。
●さわかみ投信の社員の方が一番かぶりつきでツアーを楽しまれていました(笑) 「興味」を持つこと、大事だと思います。見習おうと思いました。