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12月3日、私たちは29名のファンド仲間の皆さまとともに
サイボウズ株式会社(以下、同社)の東京オフィスを訪問しました。
本レポートでは、当日の見学の様子と対談の内容をお伝えします。

 


 

サイボウズとは

同社は日本橋に本社を構えるIT企業で、売上高は約250億円、ソフトウェアの開発と販売を行っています。同社のソフトウェアは、チームでの情報共有を円滑にするための『グループウェア』として広く利用されています。1997年に愛媛県松山市で創業し、これまでに多くの顧客にグループウェアを提供してきました。顧客は中小企業から大企業まで幅広く、ユーザーライセンス数は280万人に達しています。特に、現場主導で簡単に業務アプリが作成できる『kintone』は高く評価されており、ユーザーの支持が広がっています。

 

対談の様子

同社の青野代表取締役社長(以下、青野社長)と弊社社長の澤上が『企業と株主の間にチームワークは必要か』をテーマに約1時間の対談を行いました。冒頭、『なぜグループウェアにこだわり続けるのか』という問いに対して、青野社長は『グループウェアだから魂を込められる』と述べました。この潔い発言から、同社のサービスに対する姿勢と情熱が伝わってきました。
同社は一時、M&Aを通じて事業拡大を目指しましたが、自社に合わない事業を整理する過程で、最終的にグループウェア1本にたどり着きました。

 

話題は企業理念へ

企業理念は経営を行うために企業の中心に据え、常にそれに照らし合わせて事業を行うためのものです。同社の企業理念は“チームワークあふれる社会を創る”と定め、浸透させていったことで、去る者もいたが、一方で共感する社員が集まってきたとのことでした。

 

企業理念の深堀りへ

一般的には、経営者や社員は企業理念に基づいて行動し、一度定義したら変わらないものと認識されがちです。しかし、青野社長の『企業理念は変化させていくべき』との発言は、企業理念の在り方について新たな視点を提供してくれます。同社がこのように捉える背景には、青野社長自身の経験があります。青野社長はパナソニック株式会社に在籍していた時期があり、その際、希代の経営者である松下幸之助氏が残した経営理念を『変えられるわけがない』とする社風に疑問を抱いたことが、きっかけとなっています。企業理念を構築する際に、過去の成功体験に縛られることなく改めて問い直す姿勢が、柔軟性と社内のチームワークを育み、他社では真似できない強みとなっています。

 

未来へ

同社との対談を通じて、未来を創る責任が現在の私たちにあることを再確認しました。企業理念を漫然と引き継ぐのではなく、問い直し続ける姿勢が未来の世代への橋渡しとなることを肝に銘じました。さわかみファンドは、企業と投資家が協力し、共に未来を創っていくことを目指すファンドです。企業と投資家の輪がさらに広がることが、私たちなりのチームワークのあり方だと考えています。

 

結びに代えて

同社の青野社長とIRチームの皆さま、誠にありがとうございました。私たちもさわかみファンドを日本中に届けるべく、さらに努力してまいります。

【運用調査部 アナリスト兼トレーダー 新野 栄一】

 


 

参加者様の声

●青野社長、澤上社長の理念のお話がとても心に残りました。お二人共一本気がありつつも、柔軟で時代に対応していく力が大切だとしみじみ感じました。

●サイボウズの企業理念。それぞれの会社は違えども、会社の軸、信念のある会社はすごいな、ブレないなと思いました。

●災害でもキントーンが使われている事を知り驚きました。

●社長対談が素晴らしかった。心理的安全性が保たれた職場で働ける社員がうらやましい。

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